2012年9月18日12:03
PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は、2012年9月18日、日本の大手デジタルコンテンツプロバイダーが提供するデジタルコンテンツの海外向け販売での支払いの受取りを支援するキャリア決済サービス「ZONG」を日本で提供開始すると発表した。
コンテンツプロバイダーは、「ZONG」を利用することで各国のキャリアとの個別契約をすることなく、44カ国と250社のキャリア、および32億のモバイル端末での決済を一元的に実現できる(2012年8月時点)。また、「ZONG」は、ZyngaやFacebookなど世界中のデジタルコンテンツプロバイダーが利用しているキャリア決済サービスである。ペイパルは、「ZONG」を提供することで日本におけるデジタルコンテンツの販売およびモバイル向けの決済サービスを強化し、日本の大手デジタルコンテンツプロバイダーのオンラインゲーム、モバイルアプリ、電子書籍およびSNSの課金コンテンツといったデジタルコンテンツの海外展開を支援していきたいとしている。
ガートナーによると、世界におけるオンラインゲーム、デジタルTVやビデオ、モバイルアプリや電子書籍を含むデジタルコンテンツの市場規模は、2012年の2,320億ドルから2016年には3,670億ドルに拡大する見込みだ。また、世界のモバイル決済利用者は2012年に2.12億人を超える見込みで、2016年には4.48億人がモバイル決済を利用すると予測している。デジタルコンテンツの市場が急拡大する中、グローバルにデジタルコンテンツを販売する大手コンテンツプロバイダーにとって、全世界で利用できるモバイル決済の仕組みを整えることは急務となっている。
今回、売り手が「ZONG」を導入することで、クレジットカードを持っていない海外のモバイルユーザーから支払いを受け取ることができるようになる。売り手に初期費用や月額費用の負担はなく、売り手の銀行口座もしくはペイパル口座に入金が行われる。また、セキュリティに関して「ZONG」では、モバイル電話番号による認証やPINコード・トランザクション認証などの詐欺防止機能といったデジタルグッズのためのリスク・マネジメント・ツールボックスを利用することが可能だ。
デジタルグッズを購入する海外の消費者にとっては、数秒の間に相手のモバイル電話番号やアカウントの認証を行い、支払いを携帯電話の請求にまとめることができる。ペイパルでは、「ZONG」を利用することで簡単かつ素早く支払いができるため、今までのクレジットカード決済に比べ、10倍もの速さで見込み客を購入者に変えることができると発表している。