スマートフォンでの購入がアジア/太平洋地域で拡大(MasterCard調査)

2013年3月21日16:56

マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)はこのほど、「オンラインショッピング調査(MasterCard Online Shopping Survey)」の最新版を発表した。

同調査結果によると、アジアでのオンラインショッピングに対する人気は PCからスマートフォンに移行しており、インドネシアとタイの消費者の半数以上はショッピングに携帯電話を使用していることが明らかとなった。

MasterCard では、2012年 11月~12月にかけて、オンラインショッピングに関する消費者動向調査を 25市場において実施。アジア/太平洋地域においては、14市場で計 7,011人に、オンラインショッピングの習慣について調査した。

オンラインショッピングは中国において最も活発に行われ(102ポイント)、ニュージーランド(87)、オーストラリア(85)、シンガポール(84)、および韓国(82)がそれに続いた。中国のスコアは昨年の調査から 4ポイント上昇。日本のスコアは 80ポイントで、前年より 1ポイント低下した。

中国での消費者動向の変化は、オンラインショッピングへの安心感が要因となっており、オンラインでの購入に関して不安感を抱く消費者の比率は 2010年の 35.3%、2011年の 32.8%からさらに低下してわずか 21.4%だった。またオンラインでの購入が「簡単」という認識も広がり、2011年にはこれが 80.8%であったのに対して今回の調査では 89.5%だった。

ニュージーランドの回答者のうち 3 分の 2(68%)はオンラインショッピングを目的にインターネットを利用すると回答。また、そのうち過去 3カ月の間にオンラインショッピングをした回答者は 82.3%に達した。アジアでのショッピングの中心であるシンガポールと香港では、オンラインショッピングの利用が最も拡大し、両市場とも前回の調査から 9ポイント増となった。

日本では、7%の回答者がオンラインショッピングを主目的にインターネットを利用し、87.2%が過去 3カ月にオンラインショッピングをしたと回答した。また、過去3カ月にオンラインで購入したアイテム数は平均 5.2、過去3カ月にオンラインで購入した回数は平均4.0回だった。性別、年齢別でみると、男性(88%)が女性(86.1%)に比べ、過去 3 カ月にオンラインで購入した割合が高く、購入回数、購入アイテム数においても、男性が女性を上回る結果となった。また、50歳~64歳の年齢層が、最もオンラインショッピングを利用していることがわかったそうだ。

今回のMasterCardの調査ではスマートフォンを使用したショッピングが顕著に拡大していることが明らかになった。インドネシアが同地域で最も利用率が高く、過去3カ月間にスマートフォンで買い物をした回答者は半数を超えた(54.5%)。そして、中国(54.1%)とタイ(51%)が僅差の結果となった。

インターネット対応の携帯電話を持つ消費者の割合が高い香港、韓国、およびシンガポールでは、オンラインショッピングを行う消費者のうち約40%が過去3か月間に携帯電話による購入を行っていた。一方、携帯電話による購入を行った回答者の比率が最も低かったのはニュージーランド(18.2%)、オーストラリア(18.7%)、およびフィリピン(21.4%)だった。

日本においても、インターネット対応の携帯電話を持つ消費者の割合は高く(95%)、そのうちの25.9%が携帯電話によるオンライン購入経験があると回答し、前年の20%より増加した。その理由として、利便性、出先で買い物ができること、娯楽などが挙げられた。一方、携帯電話でのオンラインショッピングを好まない人(68.8%)の多くは、PCでの購入を好むと回答。それ以外の理由として、実店舗での購入を好む(38.2%)、タブレットでのオンライン購入を好む(6.5%)が挙げられた。

また、アジア/太平洋地域では、5人に1人が、過去3か月間に携帯電話でファッションアイテムを購入したと回答した。スマートフォンでファッション関連の商品を購入した回答者の割合はオーストラリアで32.4%、韓国で28.8%、およびシンガポールで28.5%だった。

アジア/太平洋地域の14の市場全体では、モバイルバンキングのアプリに対する認知度が最も高く(45%)、SNSアプリでのショッピング(34%)、ゲームアプリでのショッピング (33%)、およびSMS/MMSベースの支払い(31%)への認知度がそれに続いた。モバイルNFC技術への認知度は25%と最も低く、個人間のモバイルペイメントへの認知度(26%)がそれに続いて低いスコアとなった。

モバイルNFCによる支払いについて知っている、または少し知っていると回答した消費者のうち、導入から12カ月以内に試す、および利用する可能性の高い人は70.3%だった。デジタルウォレット(71.5%)やSMS/MMSベースの支払い(72.5%)に対する関心もほぼ同等で、回答者のうち70.7%は、SNSをベースとするショッピングアプリの利用に興味を示した。

また、外国のWebサイトからの購入に関しては、回答者の3分の1以上が国内での購入をより安全と感じ、その理由として詐欺や情報漏出などのリスクへの懸念が挙げられた。
過去3カ月間にオンラインショッピングを行わなかった回答者のうち、3分の1以上はオンライン取引の安全性やセキュリティへの不安を主な理由として挙げた。

オンラインショッピングに対する改善点として、セキュリティ関連、すなわち取引の安全性の確保とユーザーの安心感を高める支払時のセキュリティ強化が回答の大きな比率を占めた。

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