2013年5月8日9:40
「EC-Orange POS」がスマホ決済サービス「PayPal Here」と連携
エスキュービズムは、スマートタブレットを活用したPOSシステム「EC-Orange POS」を提供しているが、新たにペイパルが提供するスマートフォンを活用した決済サービス「PayPal Here」と連携すると発表した。これにより、EC-Orange POSの導入企業は標準でPayPal Hereの機能を利用することが可能だ。
PayPal HereとAPI連携した初の事例
金額を2重入力することなくカード決済が可能
EC-Orange POSはレジ機能、売上管理、商品・在庫管理、顧客管理といったPOSシステムの機能をタブレットで実現した小売業サービス業向けソリューションである。店舗の従業員は、接客しながらその場で在庫確認やレジ精算が可能である。
PayPal Hereは、スマートフォンに専用のカードリーダを取り付ければ、いつでもどこでも、クレジットカードによる支払いに対応することが可能で、メールアドレスおよびSMS宛にレシートの送信を行う。これまでクレジットカードの導入が難しかった個人事業主などへの導入を見込んでいる。
今回は、ペイパルからAPIを提供してもらい、組込みを行った事例として、日本で初となる。これにより、顧客の面前で決済を行い、EC-Orange POSで集計した金額を自動で連携を行うことで、精算から決済まで一貫したオペレーションが可能となった。
すでにエスキュービズムでは、フライトシステムコンサルティングと、iPadを活用したモバイルPOS決済システムで協業し、2012年8月1日からペイメント・マイスターとの連携を行っている。ペイメント・マイスターでは、レシートにサインするが、PayPal Hereの場合はタブレットにサインする形が異なっている。
特に、「金額の2重打ちになると、入力ミスや不正の温床になる可能性があります。ペイメント・マイスターでもPOS連携を行っていますが、Paypal Hereもそのニーズは必ず出てくると思います。これによりお客様は、2重打ちをすることなく、スムーズなカード決済が可能になります」とエスキュービズム 取締役 ソリューション事業部 事業部長 武下真典氏は説明する。
エスキュービズムでは、PayHereと連携した「EC-Orange POS」のニーズはあると期待している。エスキュービズム ソリューション事業部 セールス&マーケティング部 営業グループ パートナー担当 碓井宣忠氏は、「今後は、EC-Orange POSを利用するユーザーでも理美容などのサービス業を中心に導入企業が増えると思います」と期待する。
フライトの「Incredist」の広がりに期待
決済連携では3,000店舗のうち7割程度への導入を見込む
また、EC-Orange POS は、ECサイトと連動できるPOSパッケージであるため、ネットで購入した商品を店舗で受け取る際にカード決済を行う流れも確立できる。また、会員情報や在庫情報の管理も可能だ。PayPal Hereと連携したEC-Orange POSについては年間200件程度の販売を見込む。
今後の展開としては、フライトシステムコンサルティングの「ペイメント・マイスター」に対応する新たな決済装置「Incredist(インクレディスト)」との連携に期待している。
「Incredistは、クレジットカードやデビットカード(J-Debit)に対応可能であり、電子マネーのnanacoや楽天Edyに対応する予定であり、量販店などの応援レジとしてその場で決済が可能な点が受け入れられると思います」(武下氏)
さらに、リンク・プロセシングが展開するスマートフォン決済サービス「Anywhere」にも対応しており、「スマートフォン決済に対応するさまざまな決済ソリューションのラインアップを取り揃えていきたい」(武下氏)としている。
料金は、POSスタンダードが31万5,000円から、オーダーエントリーのハンディターミナル版が21万円。小規模店舗の場合、タブレットやモバイルプリンタ等のハードを入れても80万円程度で導入が可能となっている。エスキュービズムでは、今年度の目標3,000店舗のうち7割程度に決済システムを導入していきたいとしている。