2014年1月16日0:20
ヤフー(Yahoo! JAPAN)は、eコマース事業で全国の自治体などと連携し、2014年1月15日から、「Yahoo!ショッピング」で全国の特産品や名産品などの販売を開始した。
当初は、陸前高田市(岩手県)、那須町(栃木県)、坂戸市(埼玉県)、三条市・燕市(燕三条地場産業振興センター/新潟県)、南砺市(富山県)、関市(岐阜県)、三島市(静岡県)、松阪市(三重県)、多可町(兵庫県)、吉野町(奈良県)、上板町(徳島県)、宇多津町(香川県)、鞍手町(福岡県)、大刀洗町(福岡県)、武雄市(佐賀県)、錦町(熊本県)、薩摩川内市(鹿児島県)、石垣市(沖縄県)の19自治体が参加。約50点を「Yahoo!ショッピング」で販売する。
ヤフーでは、日本全体に広くあまねくインターネットを普及させたいという思いがあったそうだが、都会主導で市場が牽引されていたという。ヤフーでも公金決済の展開、宮城県石巻市に同社の復興支援事業の拠点となる「ヤフー石巻復興ベース」を設置するといった取り組みを行ってきたが、「すべての自治体の人が故郷の誇りに思うものを日本中の人にアピールして物を贈る世の中にしたいと思っていますので、ようやくやりたかったことが面でできるような時代が来た」とヤフー 代表取締役社長 宮坂学氏は話す。昨今では、スマートフォン1つあればeコマースを始めることができる環境が整ってきたため、「面白いことをやった人が目立つお手伝いをしたい」と同氏は口にする。
ヤフー 執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏によると、Yahoo!ショッピングの掲載については、売れている商品が上位に来るなど、市町村の中で健全な競争を促すという。また、要望があれば広告の掲載なども対応するそうだ。今後は、北海道の美瑛町、宮城県の石巻市、大阪府などの参加も決定しているが、全国の市町村すべてに出店してもらいたいとしている。
なお、「Yahoo!ショッピング」は、eコマースの魅力を全国に伝えるため、従来、東京を中心に主要都市でのみ開催していた「Yahoo!ショッピング 出店セミナー」を全国規模に拡大する。同社では、日本各地を担当者が直接廻るツアーを本格的に展開する予定だ。
Yahoo! JAPANでは、2013年10月に「eコマース革命」と題して「Yahoo!ショッピング」のストア出店料(月額システム利用料)、売上ロイヤルティの完全無料化などの施策を発表。
その後わずか3カ月間で出店希望者が約9万件に上るなど、事業者を中心に大きな反響を呼んでいるという。また、カード決済手数料も従来の3.6%から3.24%に変更。さらに、出店企業や自治体に対し、「Yahoo!JAPAN ID」を持つユーザーが登録したクレジットカード等を利用して簡易に決済が可能な「Yahoo!ウォレット」機能の導入も進めている。
消費者へのサービスについては、2013年7月から国内最大級の共通ポイントサービスである「Tポイント」もしくは「Yahoo!ポイント」を選択制から、Tポイント一本に切り替えている。
「Yahoo!ショッピング」では今後、「eコマース革命」の輪を全国の自治体にも広げ、インターネットを通じて地方産業の発展や経済の活性化に貢献し、“ご当地eコマース革命”を実現していきたいとしている。