2014年4月11日9:31
「acureメンバーズ」の会員数、アクティブユーザーは順調に拡大
ポイント付与の対象商品を全品に拡大
JR東日本ウォータービジネスは、2014年4月10日、「増税に打ち勝つ価値訴求」と題した戦略説明会を行った。同社では、エキナカ自販機“acure(アキュア)”で「Suica」等の交通系電子マネーをかざすと「acureポイント」が貯まる専用の会員制度「acureメンバーズ」を展開しているが、ポイント付与の対象商品を全品に拡大したり、メールマガジンの配信を強化するなど、会員サービスの充実を目指す。
価格以上の価値提供を目指す
acureメンバーズのアクティブ会員は3万人を超える
JR東日本ウォータービジネス 代表取締役社長 石戸谷隆敬氏によると、「清涼飲料市場は例年になく大きな変化、かつ予測不能」であるという。中でも消費増税による消費マインドの変化の予測が難しい。また、異常気象による飲料需要の不透明感、プライベート商品の拡大などによる小売り間競争の激化なども挙げられる。同社では小売業としての自販機を念頭に、高品質・高価値のサービスを目指している。4月に消費増税が実施され、顧客が価格に注目する今だからこそ、顧客に満足してもらう価値を提案していきたいとしている。その一環として強化するのが、2013年5月から実施している会員制度「acureメンバーズ」だ。
JR東日本ウォータービジネスでは、POSデータが取得可能なSuica決済端末「VT-10」とネットワークを開発。そのデータを活用した会員サービスを行っている。現在、会員数は4万7,000人強、3カ月に1回以上購入しているアクティブ会員も3万人を超えているそうだ。今後は、会員と自販機をより近づけるコミュニケーションの深度化、幅広い利用者層に向けた会員サービスの拡充を目指していきたいとしている。
会員属性は男性にやや偏る
対象機を女性利用の高いチルド自販機まで拡大
2月12日~20日には会員登録した電子マネーを次世代次世代自販機にタッチすると、フロムアクアをプレゼントするキャンペーンを実施。約6,000本のプレゼントを行った。また、1月と3月を比べると、3月は約1.2倍購買が増えているという。
課題としては、利用者や購買本数などのデータを見ると、自動販売機利用者全体に比べ、会員は属性が男性に偏っている点だ。エキナカの自販機は男性利用が多いという特徴があるが、「われわれの目的としては、あらゆる層のお客様にご利用いただきたいので、課題として捉えています」と同社 営業本部 広告宣伝部長 古木篤史氏。
2014年は、acureメンバーズをあらゆる場面で活用し、女性も含めた自販機利用をさらに促進させていきたいとしている。
多くの人に利用してもらう対策として、属性・年代ごとに景品交換ができるように設定した。例えば5ポイントでSuicaペンギングッズ、10ポイントでスマホ充電器、よく利用する人に対しては「新潟 食の詰め合わせ」といったように、ポイント交換にも柔軟性を持たせた。また、対象機を缶ペット機に比べ、女性利用の高いチルド自販機まで拡大。さらに、ポイント付与の対象商品を全品に拡大し、買いまわりを楽しめ、ポイントを貯めやすい仕組みを提供する。
メッセージ性の強いメールでの情報配信を強化
「Suicaが使える自販機」というイメージは定着
メールマガジンについては限定的な配信だったが、今後は担当者が直接、商品情報や機体へのこだわりへの裏話など、メッセージ性の強い情報配信を定期的に伝えていく方針だ。そのほか、顧客の声を反映した商品作りを行っていきたいとしている。
また、機体戦略としては、利用者の買いやすさにこだわった、オリジナル開発の新モデルを導入。ディスプレイ、ボタン、取り出し口の改善を行った。新モデルは、機体メーカー量産のものと違う仕様にする必要があるため、デザイン会社、機体メーカーと共同で開発した。具体的な改善点としては、「選ぶ」「支払う」「手に取る」のプロセスを明確化したり、見やすさ・押しやすさにこだわったボタンを開発した。また、ホットコラムや500ml容器対応コラムを最大21コラムに増加。さらに、商品の視認性や取り出しやすさを改善している。
なお、消費者調査の結果、駅構内にある自販機のイメージとしては「Suicaが使えて便利」が56.9%、acure自販機の特長として何が挙げられるかという質問では「Suicaが使える」が93.1%となり、ともにトップとなった。