2014年11月13日9:20米国の9割の加盟店で利用できる非接触決済サービス「LoopPay」既存のマグストライプの技術を利用してスマホ決済が可能に
NFCの技術を使うことなく、ケースを付けたスマートフォンを店舗に設置してあるクレジットカード決済端末に近づけるだけで決済可能な技術「LoopPay」。現在、店舗で取引されるマグストライプを活用して非接触で決済可能な技術であり、現在米国の9割の加盟店で利用可能となっている。日本でのテストでも実際に決済ができたそうだ。同社の取り組みについて、CMO Gregory Mann氏に話を聞いた。
NFC等のテクノロジを使うことなく非接触決済が可能
ペイメントに加え、ロイヤリティカードにも対応
――まずは「LoopPay」の特長からお願いします。Gregory Mann:
「LoopPay」は、新しいペイメントテクノロジーで、これがあれば米国のほとんどの店舗で支払いをすることができます。ループペイはいま存在するマグストライプ(磁気)を活用して決済が可能です。「マグネティック・セキュア・テクノロジ」であることが大きな特徴です。そのため、NFC等の新しいテクノロジーを使うことなく、非接触リーダーを店舗に設置する必要もありません。
――具体的にはどのような技術を使用されていますか?
Gregory Mann:電磁誘導ループを使っています。スマートフォンからトラフィックを送って、マグストライプのヘッドがカードをスワイプするようにカードをピックアップ可能です。
――現在、米国のどの程度の店舗で利用可能でしょうか?
Gregory Mann:現在、米国の9割のPOSに対応しています。スターバックス、ターゲット、ウォルマート、メイシーズなどでも利用できます。利用できない場所としては、ATMとガソリンスタンド等、端末の中にカードを入れる必要がある一部の場所となっています。今後はそういった箇所でも決済できるように努力していきたいです。クレジットカード、デビットカード等に加え、ロイヤリティカードも利用できます。
イシュアや加盟店には追加のコストは発生しない
日本でのテスト展開も実施
--具体的なコストについてお聞かせください。Gregory Mann:
イシュアや加盟店が追加で発生する費用はありません。なぜなら、マグストライプという現存する技術を使うからです。スマートフォンに付けるデバイスを消費者が購入していただければ利用できます。ケースタイプは50ドルや90ドルでAndroidやiOSに対応しています。また、ケースの中にカードを入れることも可能です。他にもフォブタイプがあり、約30ドルとなっています。購入は「looppay.com」や「Amazon.com」で可能です。
――2014年7月にはVisaからの出資も発表されましたね。また、米国では2015年10月のライアビリティシフトにより、今後は接触ICカードの普及が予想されます。
Gregory Mann:現在、公表されている範囲でVisaとGEというインベスターがいます。また、「LoopPay」はEMVターミナルと一緒に使うことができる能力を持っています。
――現在、米国ではどの程度の方が利用されていますか?
Gregory Mann:多くの方が利用していますが、利用者数は公開していません。また、日本でもテストを行っています。日本はテクノロジーに強い国ですので、大きなマーケットになる可能性があると期待しています。
――非接触決済という意味では、「Apple Pay」がスタートしました。
Gregory Mann:Apple Payは素晴らしい技術ですが、リアルで利用できる店舗は22万店で米国の3%です。また、利用できる銀行も限られますが、「LoopPay」は1,000のイシュアに対応しています。さらに、Apple PayはデバイスもiPhone6に限られますので、財布が必要となります。「LoopPay」は既存の技術を使うため、ほとんどの加盟店、カードで利用可能です。
※取材は2014年11月2~5日まで開催の「Money20/20」にて