2015年2月19日9:15Visaプリペイドカード「ソフトバンクカード」を提供開始「おまかせチャージ」で事前のチャージ不要で支払いが可能に
Visa加盟店で利用でき、共通ポイント「Tポイント」が貯まるプリペイドカード「ソフトバンクカード」が登場する。ソフトバンク・ペイメント・サービス(SBPS)、ソフトバンクモバイル、ワイジェイカード〈YJカード〉と、Tポイント・ジャパン(TPJ)は協業により、Visa加盟店で利用でき、「Tポイント」が3倍貯まる新しいプリペイド(前払い式)カード「ソフトバンクカード」を、ソフトバンク携帯電話利用者に2015年3月6日から提供開始する。
■20代などのクレジットカードを利用しない層に訴求
「ソフトバンクカード」は、2種類のカードを発行。ソフトバンク・ペイメント・サービス事業企画部 担当課長 福井広樹氏は、「どこでも使えて、Tポイントがどんどん貯まる『プリペイドカード(前払い式)カード』というコミュニケーションをさせていただきます」と説明する。対象者は、ソフトバンク3G携帯電話、または、スマートフォンを利用する満12歳以上となり、チャージ金額は最大100万円まで、有効期限は1年間となる。
新決済サービス開始の背景として、国内で非正規雇用が増えていることに伴い、年収が減少傾向にあることが挙げられた。また、クレジットカード会社が量から質への転換を図っていることなどの理由からクレジットカードの保有率は年々低下しており、「20代に至っては7割程度まで減少している」とソフトバンク・ペイメント・サービス 事業企画部 部長 榊原一弥氏は話す。日本では現金決済が主流であり、民間の最終消費支出300兆円のうち非現金決済は20%程度となっている。
今回発行する「ソフトバンクカード」は審査不要で誰でも持てる点がキーワードとなる。ターゲットは20代のクレジットカードを持たない人、もしくは持っているが積極的に使わない人等となるそうだ。また、ソフトバンクの携帯電話料金の支払いを行う層ともマッチしているという。
「ソフトバンクカード」は、全世界3,810万店のVisa加盟店でクレジットカード同様に利用が可能だ(一部利用は制限)。他キャリアは電子マネーとしての魅力を訴えているが、“プリペイドカード”としての魅力を伝えていきたいということだ。
■イシュアはSBPS、オートチャージはYJカードが提供
各社の役割としては、ソフトバンク・ペイメント・サービスが「Visaプリペイドカード発行」「決済/送金事業運営」、ソフトバンクモバイルが「会員獲得」「ケータイ連携機能提供」、Tポイント・ジャパンが「Tポイントプログラム運営」、ワイジェイカードが「オートチャージ機能の提供」となる。
ソフトバンク・ペイメント・サービスは、非対面の決済代行事業者というイメージが強いが、Visaのイシュアとアクワイアラのライセンスを取得している。すでに、アクワイアリングではその強みを発揮しているが、今回、同社では初めてプリペイドカードを発行する。また、プリペイドカードの発行については、国内屈指のノウハウを持つ、クレディセゾンの支援を受けている。さらに今回、オートチャージ機能として「おまかせチャージ」を提供するが、ヤフー(所有株式65%)とソフトバンク・ペイメント・サービス(所有株式35%)が買収したワイジェイカード(旧KCカード)がオートチャージ機能のノウハウを提供している。
■支払いのポイント、オートチャージのポイントも加算
ソフトバンクグループを挙げてTポイント・ジャパンとの連携を密にしているが、「ソフトバンクカード」でも利用に応じてTポイントを付与するそうだ。Tポイントは現在、29万6,000店舗以上と提携しており、97.8%と高い認知率を誇る。
通常のTポイントの還元は200円で1ポイント。還元率は0.5%だ。それに加え、「ソフトバンクカード」による支払い額200円(税込)ごとに1ポイントが付与される。また、「おまかせチャージ」契約の場合は、「ソフトバンクカード」による支払い額100円(税込)ごとに1ポイント追加で付与される。つまり、「ソフトバンクカード」による支払い、「おまかせチャージ」の各0.5%が付与されるため、ポイント還元率は通常の3倍の1.5%のポイントが獲得可能だ。例えば、ケータイ電話通話料の支払いの場合、通常1万円で50ポイントのところ、150ポイントが付与されるという。
■多彩なチャージ方法を提供
チャージ方法は、①「Tポイントでチャージ」、②「銀行振込チャージ」、③「口座振替チャージ」、④「ソフトバンクまとめて支払いチャージ」、⑤「キャッシング支払い」の5つを提供。また、オプションで⑥「おまかせチャージ」を用意している。
まず、①では「ソフトバンクカード」に貯めたTポイントを、100ポイントにつき85円相当の「バリュー」としてチャージできる。これは、「My SoftBank」にてチャージしたいポイント数を指定して100ポイント単位でチャージ可能だ。福井氏は、「これまでTポイントは提携先でしか使えませんでしたが、Visa加盟店で使えるようになります」とメリットを説明する。
②の「銀行振り込みチャージ」は、利用者が普段利用している金融機関口座から、指定のチャージ専用口座(My SoftBankにて確認可能)に振り込むことでチャージできる。
③の「口座振替チャージ」では、ジャパンネット銀行の口座から振り替えでチャージする方法となっている。初回利用時のみ口座振替契約が必要だが、以降は手数料無料で利用可能だ。
④では、携帯キャリア決済の「ソフトバンクまとめて支払い」でチャージした額を月々の携帯電話利用料金と合算して支払うチャージ方法となる。利用者は、My SoftBankにてチャージしたい金額を4,000円~1万円まで、1,000円単位で指定してチャージ可能だ。
⑤は、今後提供予定の機能となる。これは、ワイジェイカードが指定するキャッシング利用可能枠からチャージする方法となっている。
⑥の「おまかせチャージ」は、事前にチャージすることなく支払い時に利用代金同額の「バリュー」が自動的にチャージされる方法となる。利用にあたっては、申し込みや事前審査が必要だ。例えば、8,000円のバックを購入した人が、7,000円しか入金されていなかったとしても、残高不足分を後日、指定した銀行口座から引き落とすため、「チャージを忘れた、残高が足りない場合でも買い物ができます」と福井氏は解説。事前に審査して、与信枠を設定するが、与信枠内で決済が可能だ。
■「現金バリュー」「プリペイドバリュー」の2つに大別
なお、ソフトバンクカードは、「現金バリュー」と「プリペイドバリュー」の2種類に分かれる。②「銀行振込チャージ」、③「口座振替チャージ」、⑤「キャッシング支払い」は「現金バリュー」、①「Tポイントでチャージ」、④「ソフトバンクまとめて支払いチャージ」、⑥「おまかせチャージ」はプリペイドバリューとなる。
例えば、双方にバリューが入っていた場合、Visa加盟店での利用は双方可能だが、プリペイドバリューから先に利用する仕組みとなる。
「プリペイドバリュー」の場合、家族や友人などの「ソフトバンクカード」に「プリペイドバリュー」を譲渡することができる。1回あたり(月5回まで)の上限額は1万円。利用者は、My SoftBankにて相手の「ソフトバンクカード」利用者の携帯電話番号を入力することで譲渡可能だ。譲渡された側はMy SoftBankで受け取り手続きをすることでチャージされる。
一方、「現金バリュー」では、金融機関口座に「現金バリュー」を送ることが可能だ。利用者は、My SoftBankにて1回あたり(月2回まで)の上限額は2万5,000円まで、金融機関口座を入力することで送ることができる。金融機関口座へ送る場合は、手数料216円(税込)が必要だ。また、海外において両替所等に比べて有利な手数料で現地通貨を引き出せる。
■将来的には携帯によりカードレスでの提供を目指す
「ソフトバンクカード」は、他キャリアが発行するカードとの比較として、バリューを送るソフトバンク独自の機能を有している点が特徴であるそうだ。また、チャージの際、他社は銀行口座からの振込が指定された金融機関のみとなるが、「どこの金融機関からも振り込みができます」と福井氏は自信を見せる。
会員数や流通総額などの目標は非公表だが、「最終的には携帯電話と連携して、プラスチックカードがなくなるように商品を成長させていきたいです」と榊原氏は意気込みを語った。
企業名 | 所在地 | HP | |
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