2010年8月16日 08:30
「ぐるなびデリバリー」でクレジットカード決済を開始
法人の利用を中心に順調なスタートを切る
飲食店情報検索サイト「ぐるなび」を運営するぐるなびは4月から、「ぐるなびデリバリー」「ぐるなびケータリング」上にて注文時のオンラインクレジットカード決済サービスを開始した。クレジットカード決済導入より、宅配前に支払い手続きが完了し、宅配時の玄関先での現金での支払いが不要になるなど、スムーズなサービス提供が可能になったという。
クレジット決済の平均単価は約2万円
代引きに比べ高単価の決済に利用される
「競合他社もクレジットカード決済による宅配の注文を行っていたこと、サービス導入により新規顧客を開拓できるメリットなどを考え、導入を決意しました」(ぐるなび 企画開発本部 EC事業グループ デリバリーチーム リーダー 小沢圭太氏)
ぐるなびデリバリーは全国の宅配・出前のネット注文サイト。エリアや料理ジャンル、利用シーンなどからメニュー情報を検索し、ネット上でオーダーができる。また、お店によっては「クーポン」を利用可能だ。現在の加盟店舗数は約6,000。現状、代金引換による決済がほとんどだが、約300店舗でクレジットカード決済を開始している。同社が運営するWeb、モバイル、アクトビラのすべてのサイトで利用が可能だ。
クレジットカード決済導入により、顧客は現金がなくても注文ができ、宅配前に支払い手続きが完了するため、釣銭を持ち歩かなくて済むなど、宅配員の負担も軽減された。また宅配サービスをプレゼントするなど、従来にはないサービスでの活用も同社では期待している。
導入から3カ月が経過したが、法人のクレジットカード決済の利用が好調だ。「ぐるなび」はレストラン検索などが基盤のため、5~6時に職場で店舗検索をして、注文に至るケースが多いという。現状はWebサイトでの決済が約6割、モバイルサイトが4割で、アクトビラでの利用はほとんど行われていない。モバイル決済の伸びが著しく、いずれはWebサイトでの決済金額を追い抜くだろうというのが同社の見方だ。
「従来から行っている代引きに比べてもクレジットカードは決済単価が高いのが特徴です。10万円などの高額決済が多く、会議弁当や役員用の弁当など、リピーターの法人様に繰り返しご利用いただいています。また、これまで利用されていない新規顧客の注文が多いのも特徴です」(小沢氏)
ぐるなびデリバリー全体の平均顧客単価は4,800円だが、クレジットカードで決済に限定すると約2万円まで跳ね上がる。ぐるなびデリバリーのメニューの中でも「ぐるなびケータリング」を利用するユーザーの利用が最も多く、決済の比率はWebとケータイサイトでほぼ半々となっている。
8割の加盟店でクレジット導入を目指す
新規加盟店は導入が前提に
クレジットカードの決済処理はソフトバンク・ペイメント・サービスと契約している。利用者はぐるなびデリバリーのサイトで商品の注文を行い、ソフトバンク・ペイメント・サービスのサーバで決済処理を行う。その後、各店舗にFAXで注文情報が届けられ、宅配を行う仕組みになっている。
なお、同社が展開する「食市場」ではクレジットカード番号を自社のサーバで保持しているが、カード情報漏洩などのリスクを考え、カード決済処理はソフトバンク・ペイメント・サービス側ですべて行っている。
なお、ぐるなびデリバリーではエスアイアイ・データサービス製のハンディターミナルを利用して、顧客の面前での決済も行っている。小沢氏は「最近は宅配員を狙う事件も多いため、モバイル端末による決済も拡大していきたい」と意気込みを語る。
クレジットカード決済については、チェーン店などを中心に8割前後の加盟店での採用を見込む。今後、新規にぐるなびデリバリーに加盟する場合はクレジットカード決済の導入を必須にするという。また、他の決済手段に関しても顧客からの要望があれば検討していきたいとしている。
同社では国内最大のクーポンサイト「ぐるなび」を運営しているが、外食産業全体の売り上げが落ち込む中、デリバリー事業への参入を推し進めることにより、参加店舗数、クレジットカードの導入店舗を拡大していく方針だ。
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