2015年4月10日9:06スマホでタクシーが呼べる「はたらくママのための育児タクシー」を東京と大阪で展開安心・安全なタクシーが働く女性の子育てをサポート
世界経済フォーラムにより組織されるグローバルシェイパーズコミュニティ・東京ハブは、コカ・コーラ財団(本部:アメリカ・アトランタ)の支援を受け、働きながら育児を行う女性の移動を支援するプロジェクト「はたらくママのための育児タクシー」を東京と大阪で展開すると発表した。同プロジェクトは東京では日本交通、大阪ではヘイローと連携して行われる。
働く女性とタクシードライバー双方にメリット
子供をあやしながらでも片手で操作できるスマホを活用
世界経済フォーラムが毎年公表する「世界男女格差レポート(Global Gender Gap Report)」の2014年版によると、日本の男女格差指数は142カ国中104位という低水準に留まる。グローバルシェイパーズコミュニティ・東京ハブでは、日本国内の男女格差指数の向上のため、特に「子育てをしながら働く女性」への支援にフォーカスし、同プロジェクトを始動した。
また、日本コカコーラ 広報・パブリックフェア―ズ本部 統括部長 Arseny Chuk Besher氏によると、グローバルシェイパーズコミュニティのグローバル・コミュニティー・パートナーであるザ コカ・コーラ カンパニーは、「5by20」プログラムを通じて、2020年までに全世界で500万人の女性の経済的なエンパワメントを支援しているという。今回のプロジェクトは、コカ・コーラ財団からの支援のもと、世界水準の女性活躍社会の実現の一助となることを目的に展開するそうだ。
「はたらくママのための育児タクシー」は、子育てをしながら働く女性と、タクシードライバー、双方にとって価値のあるプログラムの展開を目指す。働く女性のニーズとしては、子供の教育や栄養などへの配慮に加え、“時間の短縮”が挙げられる。起床から就寝までスケジュールがぎっしりで、忙しい時間を過ごしている。また、乳幼児や小さい子供がいる母親は、移動の際も不安が多い。今回、ドアtoドアで移動できるタクシーを、より身近な乗り物として使用してもらうことで、子育てや仕事にもより安心して取り組んでもらいたいとしている。
利用者は、スマホ用タクシー配車アプリのインストールと利用者情報の登録で、「はたらくママのための育児タクシー」が利用可能だ。子供をあやしながらでも片手で操作できるスマホを活用しているため、スムーズに利用してもらえるとしている。
ヘイロー 代表取締役 梅澤亮氏は、スマホ用タクシー配車アプリの特長として、位置情報によりスマホから電話を使わずにタクシーを呼び出せる点を挙げる。また、「5~10分で指定した場所に迎えに来る」メリットも口にする。さらに、どのタクシーに乗車したかを後から確認でき、呼び出してから迎えに来るまでの移動をリアルタイムに把握可能だ。
カードレス・サインレスで降車可能
「ママタクシー認定ドライバー」がタクシー利用の不安を解消
さらに、日本交通およびヘイローのスマホ用タクシー配車アプリでは、事前にクレジットカード情報を登録しておけば、カードレス・サインレスで降車ができ、利用後も自身の乗車/降車場所、時間などの履歴を閲覧できる(日本交通タクシー配車ではキャリア決済やウォレット決済も可能)。安心という面では、利用後に登録したメールアドレスへ領収書を配信している。
母親が子供を連れたタクシーの利用に対する不安の解消のため、同プロジェクトが作成するマニュアルの内容を理解したドライバーが運転するタクシーを認定。マニュアルでは、ドライバーによる乗降の際のドアサポート、ベビーカーの積み下ろしの手伝い、小さな子供が乗車する際の心構えなどについて説明しているそうだ。日本交通 代表取締役 川鍋一朗氏は、「子連れのお客様のタクシー利用はニーズがある」としたうえで、従来の対応はドライバーによって個人差があるため、教育を行うことで、今後の継続利用の第一歩としたい考えを示した。
地域サービスへの周知として、タクシーの運行エリアの保育園、幼稚園などへの告知、クーポンの提供も行うという。クーポンについては、初回限定で、東京と大阪で総計2,000組(各1,000組)に1,500円分の割引クーポンを配布する。
なお、国土交通省 総合政策局 安心生活政策課 企画官 奈良和美氏は、「政府の女性活躍支援の一環として、女性が外出・移動をしやすい環境を整備していきたい」という考えを示した。