2015年6月5日14:33mPOSプラットフォームを世界中で展開するgoSWIFFの取り組みは?エンド・トゥ・エンドの暗号化でセキュリティを強化
シンガポールに本社を置くgoSWIFFは、モバイルPOS、モバイルウォレット等のサービスを提供している。同社のmPOSは、主に銀行に対してサービスを提供しており、安全でセキュアな支払いを実現できるという。同社では、ThalesのHSM(ハードウェア・セキュリティ・モジュール:Hardware Security Module)を採用し、セキュリティを強化している。同社 APAC リージョナル・ビジネス・デベロップメント マネージャー Guillaume Schmit氏に、サービスの特徴について話を聞いた。
ThalesのHSMで認証を強化
mPOSプラットフォームを5大陸、25カ国で提供
――まずは、goSWIFF様のビジネスについてお聞かせください。
Guillaume Schmit:弊社はモバイルPOSプラットフォームを展開する会社となります。主に銀行にプロバイダとしてサービスを提供しています。今回の「Cards&Payment Asia」では、パートナーのThales様と共同でブースを出展しました。弊社のモバイルPOSプラットフォームでは、多要素認証を内蔵しており、高いセキュリティを実現しています。また、弊社はアプリを提供する会社であり、筐体については、市場にあったものを提供しています。
――2年前には、フランスで開催されたICカードの国際的なイベントCaresで「Sesames Awards」を受賞されましたね。セキュリティ面の特徴についてお聞かせ下さい。
Guillaume Schmit:弊社では、独自のセキュリティシステムにより、カードデータをエンクリプト(暗号化)した状態で、モバイルフォンからサーバまでのエンド・トゥ・エンド(End-to-End)で一気通貫に提供できます。
――近年では、エンド・トゥ・エンドの暗号化をうたうコンペチターも現れていますが、貴社の強みついてお聞かせ下さい。
Guillaume Schmit:高度なセキュリティ機能を有する環境での鍵管理や暗号化など処理を行うThalesのHSMを利用することで、よりセキュリティを強化しています。すでに弊社のmPOSプラットフォームは5大陸、25カ国で提供しており、これは大きな差別化要因になると考えています。
現在、保険業界やデリバリーサービスなどでもモバイルを使った決済が広がっています。これまで現金しか受け付けなかったマーチャント(加盟店)でもモバイルを使った決済サービスは受け入れられており、今後も成長すると思います。
日本市場での展開も進める
2年以内に200の銀行との提携、10億トランザクションを目指す
――日本市場への期待についてお聞かせください。また、今後の目標についてはいかがでしょうか?Guillaume Schmit:
日本の市場は注目しており、すでに複数の企業と話を進めています。弊社のプラットフォームは現在、東南アジアはもちろん、世界的に見ても一番だと感じています。今後2年で200の銀行と提携を結んで、10億のトランザクションを目指したいですね。
なお、Thalesでは、決済用HSM「payShield 9000」を提供しており、mPOSを活用した決済サービスの保護に役立てられている。タレスジャパン e-セキュリティ事業部 シニア・プロダクトマネージャー シンドウ ジロウ氏によると、goSWIFFのmPOSプラットフォームでは、「Session Key」による鍵管理による認証を行っているという。昨今では、mPOSに加え、NFCのHCE(Host Card Emulation)でのHSMの引き合いも増えているそうだ(HCEによるNFCモバイルペイメントにおけるタレスのHSMの役割については後日紹介予定)。
※取材はシンガポールで4月22日、23日に開催された「Cards & Payments Asia」のgoSWIFFとThalesのブースにて