2020年のFeliCaはリング、ブレスレット、デタッチャブル型などカード形状から進化

2015年10月2日9:30

ウェアラブルデザインのクラウド連携デバイスを開発
モバイルではGlobalPlatform対応の汎用チップを提供へ

ソニーとフェリカネットワークスは、2015年10月1日、2日に「FeliCa Connect 2015 ~ Connecting – simple,secure,seamless~」を開催しているが、2020 年に向けて目指す“かざす”未来を『かざす 2.0』とし、リング、ブレスレット、チャーム、キーホルダーといったカードとは形状とは異なるウェアラブル型およびカップリング技術をカードへ応用したブレスレット型、デタッチャブル型FeliCaを発表した。また、マルチアプリケーションICカード管理に関するグローバルのオープンな標準仕様である「GlobalPlatform」(グロ ーバルプラットフォーム)への対応も発表された。

“Easy to Connect”の実現を目指す
エンジニアの遊び心を詰め込んだ製品を開発

FeliCa ICチップは、カードとモバイルのチップを合わせて8億9,000万個が出荷されており、単純な電子マネーや交通系ICカードだけをみても1日7,000万件、年間250億回以上かざして利用されている。

「FeliCa Connect 2015」では、ソニー IP&S PSG FeliCa事業部 事業部長 坂本和之氏、フェリカネットワークス 代表取締役 真鍋マリオ氏が揃って登壇。「かざすライフスタイルの進化」として、今後のFeliCaで目指す世界について紹介された。

ソニー IP&S PSG FeliCa事業部 事業部長 坂本和之氏
ソニー IP&S PSG FeliCa事業部 事業部長 坂本和之氏

ソニーとフェリカネットワークスでは、東京五輪が開催される2020年に向け、どのようにビジネスを進化させるかのディスカッションを重ねてきたという。

FeliCaサービスの利用状況
FeliCaサービスの利用状況

近年、5,400万人がスマートフォンユーザーとなっており、2020年は8,800万人になると言われる。また、2020年はウェアラブルデバイスがさらに普及していくと思われる。さらに、クラウドサービスの普及により、通信スピードも急速に早まっている。今後は、1億台のスマートフォンやウェアラブルデバイスを利用する時代となり、O2Oやオムニチャネルも加速すると予想される。そのため、真鍋氏は、2020年を見据えた未来においては、「かざす2.0」と称して、デバイスとプラットフォーム/サービスの両面において、新技術・プラットフォームを生かした提案により、“かざす”を進化させることを目指すという。

フェリカネットワークス 代表取締役 真鍋マリオ氏
フェリカネットワークス 代表取締役 真鍋マリオ氏
felica4
2020 年に向けて実現を目指す“かざす”未来を、『かざす 2.0』とした

まず、「多様性」では、“Easy to Connect”として、さまざまなデバイスからユーザーの接点があってもきちんとつながる世界を実現させたいとしている。FeliCaチップは、これまで時計やシール、キーホルダーなど、さまざまなデバイスに搭載されてきた。最近では、家電に搭載する機会も増えている。ただ、通信性能の確保のため、一定のアンテナサイズが必要であり、形状も若干大きくなったが、アンテナ構造の変更により小型化を実現し、金属素材の指輪にも適用可能な超小型のリング型FeliCaを開発した。また、BluetoothとFeliCa技術を融合した基盤モジュールを開発。FeliCaデバイスが、Bluetooth機能を搭載することで、ネットワークと接続することが可能となった。

felica5
リング型、キーホルダー型のFeliCa

さらに、新アンテナ構造により、着脱可能なICモジュールを開発し、たとえばポイントカード、チケット、クーポンといったように、ユーザーが用途に合わせて搭載サービスを自由に組み合わせて利用できるブレスレット型やデタッチャブル型のFeliCaも発表された。

ブレスレット型、デタッチャブル型のFeliCa
ブレスレット型、デタッチャブル型のFeliCa

坂本氏によると、これらの製品にはエンジニアの遊び心が入っており、来場者の意見をキャッチアップする目的もあるそうだ。また、FeliCaには、FeliCa性能検定で厳しい基準が設けられているが、「クリアできるかできないかのぎりぎりのレベル」(坂本氏)の性能はあるという。

次世代モバイルプラットフォームも開発
FeliCaの標準化活動も進める

モバイル対応では、グローバルの標準仕様に準拠したデバイス上でFeliCaサービスを実現させる次世代のプラットフォームを開発しているそうだ。具体的には、「GlobalPlatform(グローバルプラットフォーム)」対応の汎用チップにより、さまざまなスマートフォンやウェアラブルデバイスでサービスが利用できるようになる予定だ。

GlobalPlatform対応を発表
GlobalPlatform対応を発表

坂本氏によると、モバイルFeliCaは従来、日本では組み込み型の専用チップを載せているが、これからはグローバル仕様に準拠した汎用チップを載せていくという。グローバルな展開では、香港やインドネシアでFeliCaを利用したモバイルサービスがリリースされているが、両国ではアプリケーションとなる「FeliCa Applet」の仕様が異なるそうだ。各国においての互換性を調整しながら、フレキシブルに変更できる点もFeliCaの強みとなっている。

モバイルFeliCa ICチップのGlocalization
モバイルFeliCa ICチップのGlocalization

さらに、FeliCaの標準化活動も進めている。ISO-7816は国際提案中となり、NFC/HCE(Host Card Emulation)に対応した「HCE-F」はAndroidの「Android Open Source Project(AOSP)」のレビュー中となっている。

標準化活動
標準化活動

 

薄型インタラクティブFeliCaカードはさらなる薄型化を実現
ISO/IEC 14443 TypeA/B対応チップは2016年に出荷予定

なお、「FeliCa Connect 2015 」会場では、FeliCaに関するさまざまな展示が行われている。昨年、コンセプトが発表された薄型インタラクティブFeliCaカードは、厚さ0.84mmのさらなる薄型化を実現。ただ、ATMでの利用など耐久性には若干課題も残るため、継続して開発を進めるという。

薄型インタラクティブFeliCaカード
薄型インタラクティブFeliCaカード

また、FeliCa、EMV準拠の接触および非接触(ISO/IEC 14443 TypeA/B)機能を一体化したチップの開発を進めていたが、2016年には出荷を開始できる段階までこぎ着けたそうだ。

FeliCa、EMV準拠の接触および非接触(ISO/IEC 14443 TypeA/B)機能を一体化したチップ
FeliCa、EMV準拠の接触および非接触(ISO/IEC 14443 TypeA/B)機能を一体化したチップ

フェリカネットワークスでは、店舗に並ぶ RFID タグシール(UHF帯)がついた好みの商品を、ユーザーは買い物かごに入れてお支払いゲートを通るだけで、瞬時に商品が集計され、電子マネーなどから会計を済ませるデモを実施。買い物以外にもロッカーの開閉、駐車場の精算などのアプリケーションに応用可能だ。

ゲートを通るだけで電子マネーの会計が行われる
ゲートを通るだけで電子マネーの会計が行われる

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP