2017年3月29日18:29
ジェーシービー(JCB)は、ネットエイジアの協力を得て、2017年2月15日から20日の6日間、全国の20歳から69歳の男女を対象に「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2017」をインターネットで実施した。
その結果、全回答者(1,000名)に、昨年1年間で増やせた貯蓄額について聞いたところ、「0円(増やせなかった)」が36.2%、「1万円~50万円未満」は36.4%、「50万円~100万円未満」は9.1%、「100万円以上」は10.5%となり、0円との回答も含めた平均貯蓄増加額は37.4万円となった。また、昨年1年間で増やせた貯蓄額を最近のキャッシュレス化状況(現金離れ状況)によって分けたタイプ別にみると、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は51.8万円で、現金派の30.5万円よりも高くなった。
また、昨年の調査結果と比べると、キャッシュレス派は昨年調査よりも平均貯蓄増加額が高く(2016年調査47.0万円→2017年調査51.8万円)なり、現金派は昨年調査よりも低く(2016年調査35.5万円→2017年調査30.5万円)なった。特に乖離幅の大きくなったキャッシュレス派の男性と現金派の男性の平均貯蓄増加額の差額は、昨年調査では17.7万円(2016年調査キャッシュレス派男性52.3万円 – 現金派男性34.6万円)で、今年の調査では差額30.5万円(2017年調査キャッシュレス派男性57.2万円 – 現金派男性26.7万円)にまで広がった。
全回答者(1,000名)に、「最近、自分はキャッシュレス化している(現金離れだ・キャッシュレス派だ)」にあてはまるかどうか聞いたところ、同意率(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以下同様)は38.2%になった。男女別にみると、キャッシュレス化(現金離れ)を実感しているのは女性より男性のようで、同意率は女性の34.0%に対し男性では42.4%となった。また、性年代別では、30代男性や60代男性では5割弱(ともに48.0%)が同意を示す結果となっている。
次に、キャッシュレス化を実感している人=キャッシュレス派(382名)に、キャッシュレスの支払い方法はプリペイド型(事前にチャージ・支払いが必要)とポストペイ型(使った分を後から引き落とし・支払い)のどちらが多いか聞いたところ、「プリペイド型が多い」が62.3%、「ポストペイ型が多い」が37.7%となった。
現金以外の支払い手段のそれぞれについて、平均決済単価と平均利用頻度をみると、「クレジットカード」はその他の決済手段に比べて平均決済単価が高く(1回あたり9,373円)、平均利用頻度は中程度(月に6.3回)となった。クレジットカードに比較的近い使われ方をしているのは「デビットカード」で、平均利用頻度はクレジットカード同様に中程度(月に5.8回)、平均決済単価がクレジットカードよりも低く(1回あたり4,449円)なっている。分割払いも利用できることが特徴のクレジットカードは高額決済の手段として、預金口座から即時決済できることが特徴のデビットカードはクレジットカードより少額の決済手段として利用される傾向にあることがわかった。
クレジットカードやデビットカードより高頻度で使われている決済手段に注目すると、「電子マネー」(月に8.4回)や「モバイルウォレット」(月に8.8回)があり、これらの平均決済単価は比較的少額(「電子マネー」1回あたり2,804円、「モバイルウォレット」1回あたり2,835円)になった。そのほか、比較的低頻度となった決済手段に注目すると、「キャリア決済」(月に1.8回)や「プリペイドカード」(月に2.9回)がみられた。
全回答者に、キャッシュレス社会化(現金以外で支払いできる環境が整うこと)に関する内容を提示し、身の回りの環境や自分の考えにあてはまるか聞いたところ、「最近、生活圏のキャッシュレス社会化が進んでいる」の同意率は57.6%となり、昨年の調査結果から5.5ポイント上昇(2016年調査52.1%→2017年調査57.6%)した。また、「2020年までに、キャッシュレス社会化がさらに進行すると思う」の同意率は64.5%となり、昨年の調査結果から6.4ポイントの上昇(2016年調査58.1%→2017年調査64.5%)となった。
また、「訪日観光客の消費拡大のためにもキャッシュレス社会化は欠かせないと思う」では同意率が51.0%、「訪日観光客のおもてなしのためにもキャッシュレス社会化は欠かせないと思う」では52.1%となっている。
全回答者に、デビットカードについて、知っていたか聞いたところ、「詳細まで知っていた」33.8%、「名前を聞いたことがある程度」55.5%となり、それらを合計した認知率は89.3%、「知らなかった」は10.7%だった。一昨年・昨年の調査結果と比較すると、「詳細まで知っていた」の割合が上昇(2015年調査30.8%、2016年調査30.0%→2017年調査33.8%)したことで、認知率が8割半から9割へと上昇(2015年調査85.4%、2016年調査85.1%→2017年調査89.3%)していることがわかった。
次に、デビットカードについて説明をした後に、デビットカードを今後(または今後も)使いたいか聞いたところ、「非常に使いたい」5.4%、「どちらかといえば使いたい」34.1%となり、それらを合計した利用意向率は39.5%となった。一昨年・昨年の調査結果と比較すると、利用意向率は3割半から4割へと上昇(2015年調査36.4%、2016年調査36.9%→2017年調査39.5%)した。
さらに、デビットカードの利用率と平均利用頻度について、昨年からの推移を確認すると、利用率は8.4%から9.1%と同水準で推移しているものの、平均利用頻度は月に3.7回から月に5.8回と、昨年比でおよそ1.6倍と顕著に上昇した。