2017年以降は無人機への決済リーダの設置が加速?電子マネーに加え、PCI認証を取得したセキュアな端末も登場

2017年5月17日9:15

国内では、JR東日本ウォータービジネスがSuica決済が可能な自販機POSデータを活用した会員制度「acureメンバーズ」を展開したり、マンマチャオがコインランドリー業界ではじめてマルチ電子マネー決済リーダーを設置するなど、無人機におけるキャッシュレス化に取り組む企業もある。ここ数年は、ビリングシステムと提携したOn Track Innovations Ltd.(OTI)、Nayaxというグローバルベンダーが進出。今後はかざすだけで便利な電子マネーに加え、PCI認証を取得したセキュアな自販機端末により、クレジット決済としての利用も期待される。

左がOTIの「SATURN 8700 PLUS」を搭載した端末、右がCasteles Technologyの「UPT100」と、Nayax の「Amit3.0(テレメトリシステム)」を統合した「VPOS-Verify」

ビリングシステムはイオンディライトの飲料自動販売機へOTIリーダー搭載
飲料自販機端末として初の電子マネー対応シンクライアント型決済端末

ビリングシステムでは、OTIのカードリーダーソリューションの新製品であるEMV/NFC カードリーダー「SATURN 8700 PLUS」を搭載した飲料自動販売機によるサービスの提供を2017年3月7日から開始した。まずは、2017年度は、イオンディライトの約3,000台の飲料自動販売機へOTIリーダーの搭載を予定している。

OTIのEMV/NFC カードリーダーを搭載した自販機(リテールテックJAPAN2017において)

同OTIリーダーはイオンディライトの開発協力により電子マネー「WAON」に対応。飲料自動販売機向けとしては初めての電子マネー対応シンクライアント型決済端末となるそうだ。ビリングシステムによると、電子マネーのシンクライアントセンターは、JR東日本メカトロニクスと三菱UFJニコスが展開する「J-Mupsセンター」への接続となる。また、今後はWAON POINTへの対応も予定している。

さらに、順次、国内の電子マネーおよびEMVコンタクトレス方式のクレジットカード決済等にも対応する予定だ。なお、EMVコンタクトレスの対応は年内を予定している。

ビリングシステムはリーダライタのローカライズ、提供、保守を行うが、リーダーとテレメトリシステムをあわせて10万円ほどと、競争力のある価格でサービスを提供するそうだ。

NayaxはCastles Technology と提携
PIN パッドを内蔵した支払決済のオールインワンソリューションを提供

一方、Nayaxでは、2017年2月28日に、決済端末会社のCasteles Technologyとの提携を発表した。今回の提携では、Castles Technology の「UPT100」と、Nayax の「Amit3.0(テレメトリシステム)」を統合し、無人販売機向けのPIN パッドを内蔵した支払決済のオールインワンソリューション「VPOS-Verify」を提供する。両社では、今回の提携により、日本を含めたアジアに加え、欧州や北米での展開を加速できると期待している。

UPT100は、PCI PTS 4.xやEMV L1、L2 認定を取得。フランスで開催されたTrustech(トラステック)などでも展示されおり、「このサイズ感、コストでPCI PTS 4.x認証を取得している端末としてはこれしかありません」と、Castles Technology エグゼクティブ・セールス・マネージャーのJason Chiang氏は自信を見せている。そこに在庫、現金の監視、アラート、レポート、リモート制御などをリアルタイムで監視可能な「Amit3.0(テレメトリシステム)」が加わることで、統合されたPINパッドのソリューションを提供することが可能になった。

左からキャッスル・テクノロジー・ジャパン 代表 尾賀健一氏、Castles Technology エグゼクティブ・セールス・マネージャーのJason Chiang氏、NAYAX Ltd. CEO(最高経営責任者)Yair Nechmad氏、Nayax事業開発マネージャー ロテル・デロール氏

「VPOS-Verify」により、PIN パッドを使用してカード保有者のPIN コードを暗号化し、磁気ストライプ・接触および 非接触型カード・モバイル・FeliCa 電子マネーなどのすべてのキャッシュレスでの支払いが可能だ。

2017年3月7日から10日まで行われた「リテールテックJAPAN2017」(主催:日本経済新聞社)のために来日したNAYAX Ltd. CEO(最高経営責任者)Yair Nechmad氏によると、「券売機の製造元は多いですが、PCIの認証はネックとなっており、そこへのニーズはあると考えています。デビットカード、クレジットカード、電子マネーでの支払いを含めた、券売機、パーキングなどのニーズが見込めます」と説明する。

また、小額な商品から高額な商品の販売が可能になる。たとえば、欧州などの無人機でのクレジットカード決済において、25ユーロ以上での支払いには適用しづらかったそうだが、少額から高額の支払いまで適用することが可能だ。Jason Chiang氏は、「チケットの券売機やガソリンスタンド、暗証番号入力を求められるデビットカードなどが普及する市場にも投入できます」と語り、笑顔を見せる。

Nayaxでは、「Amit3.0」の国内での設置目標として、4年間で100万台を掲げる。キャッスル・テクノロジー・ジャパン 代表 尾賀健一氏は、「SATURN 8700 PLUSは、券売機やパーキングなどを中心に設置を進めていきたい」とした。

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