2017年5月17日9:00
米国でデビットカードが本格的に発行されはじめたのは1990年初頭。クレジットカード全盛の米国でデビットカードは流行らないと多くの人が考えていた。
そこに風穴を開けたのが、バンクオブアメリカ。デビットカードを使えば端数を丸め、利用額との差を貯蓄にまわせるというサービスで一躍人々の心をつかんだ。(1ドル56セントなら2ドルに丸め、44セントを貯蓄にまわす。3カ月間の貯蓄額に2倍のボーナスがついた)
それが有名なキープザチェンジ(Keep The Change)キャンペーン。小銭を貯めようというキャッチーなテレビ広告は話題となり、デビットカードの保有者と利用が急拡大したのである。
バンクオブアメリカといえば、デビットカード。デビットカードといえば、バンクオブアメリカといわれるまでになった。
それから25年、2016年のデビットカード利用額(現金引出しを除く)でトップの座を射止めたのはどこか。
バンクオブアメリカではない。はじめてチャンピオンベルトを奪い取ったのはウェルズファーゴである。
調査会社のニルソンレポートによれば、2016年ウェルズファーゴのデビットカード(プリペイド含む)取扱高は3,068億ドル。バンクオブアメリカは2,989億ドル、79億ドルの差で2位に転落した。3位はチェイスの2,725億ドルである。
それにしても日本と米国の差は何によるものか。米国メガバンクのデビット取扱高はそれぞれ約30兆円。日本で1兆円を超えるところはない。