グローバルと日本のフィンテック動向について紹介(アクセンチュア)

2017年7月21日10:13

アクセンチュアは、2017年7月20日、大手町ファーストスクエアカンファレンス(東京都千代田区)において、 国内およびグローバルのフィンテック(FinTech)最新動向に関する記者説明会を開催した。同説明会では、グローバルや日本でのフィンテック投資の状況などについて紹介された。

2014年からグローバルでのフィンテック投資が急進

アクセンチュアがフィンテックの動向についての記者説明会を開催するのは今回で2回目。同社では、2010年からフィンテック投資についての情報をリサーチしているが、昨年からグローバルでフィンテック投資がより進んできたそうだ。また、当初は決済分野を中心に注目を集めてきたが、「さまざまな金融サービスに投資が向いている」と、アクセンチュア 執行役員 金融サービス本部 統括本部長 中野将志氏は説明する。

アクセンチュア 執行役員 金融サービス本部 統括本部長 中野将志氏
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 エンタープライズ アーキテクチャ&アプリケーション戦略 マネジング・ディレクター 村上隆文氏

フィンテック投資は、2014年から本格的に立ち上がり、定常的に200億ドルを獲得する市場となっている。また、2010年から2013年までは北米を中心に展開されてきたが、現在はグローバルに分散。特にアジア・パシフィックエリアにおいて高い成長が見られるそうだ。国別の投資規模を見ると中国が圧倒的な大きさで、インドでも飛躍的に投資が活性化している。また、香港、シンガポールはフィンテックのグローバルハブを目指している。なお、日本は前年から135%増の1.5億ドルの市場となっている。

フィンテック投資全体像

 

事業領域は多様化、グローバルで加速するフィンテックイノベーション

事業領域として、2015年までは決済を中心に成長してきたが、近年はクラウド会計やアカウントアグリゲーション、融資や保険、ウェルス&アセットマネジメント、証券取引なども成長が続く。アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 エンタープライズ アーキテクチャ&アプリケーション戦略 マネジング・ディレクター 村上隆文氏は、「特に件数で大きな伸びを見せているのが保険で、もう1つがウェルス&アセットマネジメントとなります」と語る。テクノロジー領域をみると、AIやブロックチェーンなど、新興技術への関心がさらに高まっている。

注目すべき領域

グローバルでのフィンテック・ハブ競争を見ると、米国と英国が先行して取り組んできた。米国はシリコンバレーを中心に取り組みが行われてきたが、ニューヨークでもフィンテックスタートアップが集積し、金融機関と連携するケースが見受けられるようになった。また、英国でも競争を通じたイノベーションが加速している。さらに、人口や経済規模の大きい中国の市場規模が拡大。ハブ型では、アジアの香港とシンガポールの成長が続いているが、スウェーデン、フィンランド、イスラエルなどでも投資が増えている。

 

グローバルでのフィンテック・ハブ競争

「フィンテック投資の先進国、急進国のハブ型・母国規模型ともに、GDP対比で言うと0.05から0.08%位の投資が発生していますが、日本をみると0.04%と少ないです。そのため、日本は成長しているものの10倍くらいの規模になってもおかしくありません」(村上氏)

また、各利用技術の観点でみても、市場による差異は見受けられず、技術はグローバルに適用可能であるという。さらに、フィンテック関連のテクノロジーとして、API、AI・ロボティクス、ブロックチェーンの3つがインパクトをもたらしているという。

APIについては、単純な機能開放に加え業界横断のエコシステム型サービスプラットフォームまで応用の幅は広がっている。AI・ロボティクスは、既存ビジネスの強化に加え、新たな与信・審査モデル提供による未開拓層へのリーチなど、データ価値創造による新ビジネス構築が可能となる。ブロックチェーンに関しては、IoT/M2Mとの併用による新収益獲得の手段としての使い方も伸びているそうだ。

日本はフィンテック成長のポテンシャルは高い?

なお、日本市場においては、スタートアップ単体ではなく、金融産業、異業種で関心のある企業が、新しい価値を提供する重要な役割を担うとした。日本のフィンテック市場は順調に伸びているが、これを金融機関が如何に成長に取り込めるかが重要だ。

また、中期的な観点からは、日本はハブ型フィンテック市場として、グローバルで存在を示すポテンシャルがあるとした。日本は先進国ではあるが、少子高齢化などの社会的課題を抱えており、イノベーション創造の土壌がある。たとえば、東京は金融セクターとして世界第5位となっている。イノベーションは金融期間とスタートアップの異業種が社会的な課題を解決するため、「東京は産業も数多く、イノベーションを生み出しやすい。日本は良質の金融が行き届いていますが、課題先進国といわれていますので、社会的なイノベーションのニーズがあります」と村上氏は見解を述べた。

日本市場への示唆

なお、アクセンチュアは日本において、ふくおかフィナンシャルグループ、第一生命保険、SMBC日興証券、三井住友海上火災保険などに対し、フィンテック・デジタル技術を活用したイノベーションをサポートしている。

 

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