2019年5月30日18:10
日立製作所の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールSTSは、このほどイタリアのTrentino Trasporti(トレンティーノ・トラスポルティ)と、イタリア北部の都市トレントを走るTrento-Malé-Mezzana(トレント-マレ-メッツァーナ)鉄道およびバスを含むトレントの公共交通機関における新たなデジタルチケッティングソリューションの実証実験を開始することで合意したと発表した。
今回実証実験を行うデジタルチケッティングソリューションは、スマートフォンをチケットとして活用するソリューションであり、日立グループのチケッティングソリューションにおける経験とデジタル技術を生かしたソリューションとなる。具体的には、鉄道車両やバスなどの車体や、駅やバス停などに通信端末を設置し、乗客がスマートフォンにインストールしたアプリケーションを経由して位置情報のやり取りを行うことで、乗客がどの公共交通機関を利用したかを把握して、自動で運賃を算出し、キャッシュレスで運賃を徴収することが可能になる。
同ソリューションによって、乗客は紙のチケットやICカードなどを使用する必要がなくなるという。また、公共交通機関の事業者は券売機や改札機といった設備を減らすことで、設備への投資やメンテナンスコストを削減することが可能だ。
なお、同デジタルチケッティングソリューションがトレンティーノ・トラスポルティに承認され、正式な認可を受け次第、日立レールSTS社は同ソリューションを正式展開し、チケット売上の一部を受領するレベニューシェア型のビジネスを展開する予定だ。