2020年1月15日8:00
アイ・アイ・エムとセイコーソリューションズは、2019年11月21日にプライベートイベント「COMPUS 2019」をJPタワー ホール&カンファレンス(東京都千代田区)で開催した。同イベントでは、セイコーソリューションズ データサービス本部 CREPiCO統括部長 渡邊 圭一氏が「セイコーソリューションズが実現する安全・安心のキャッシュレス社会」と題して講演した。
タッチパネル液晶にカメラ搭載の「AT-2300」
セイコーソリューションズは、ペイメント領域において、決済端末および、情報処理センター「CREPiCO決済情報処理センター」を展開している。これまで、ファーストフード、コンビニエンスストア、書店などの店舗に約2万台、訪問販売、宅配便、外商などに5万台のモバイル決済端末を納入している。また、同社が強みを持つタクシー向けには、約5万台の導入実績がある。「CREPiCO決済情報処理センター」では、安心・安全・堅牢なセンターとして、24時間365日の常時監視で加盟店の決済事業をサポートしている。
現在の決済のトレンドとして、政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」により、2019年10月以降はトランザクションが増加していると言われる。また、訪日外国人の増加によるQR/バーコード決済、「Visaのタッチ決済」をはじめとしたEMVコンタクトレスの推進も行われている。さらに、スマートデバイスの普及により、決済以外の付加機能との連携も求められる。安全面では、偽造カードの試用の防止、PCI DSSをはじめとしたカード情報の保護、堅牢なセンターの運営が重要だ。
セイコーソリューションズでは、店舗向けにモバイル決済端末「AT-2300」を開発し、タッチパネルの液晶画面で操作性を向上させている。2019年12月には、非接触クレジット(NFC)に対応。また、端末にはバーコードカメラが搭載されており、2020年1月にはAlipayやWeChat Payといったモバイル決済が可能となる(タクシー専用モデルは2020年2月にQR決済対応予定)。暗証番号入力のPINパッドは、セキュリティ基準の「PCI PTS」に準拠している。
また、PCI DSSに準拠した「CREPiCO決済情報処理センター」では、加盟店のカード情報非保持化をサポートするP2PEソリューションプロバイダの認定を取得している。これにより、外回り接続方式で加盟店のカード情報非保持化に加え、決済端末とセンター間で暗号化した情報をやり取り可能となり、内回りでの運用が可能だ。同センターでは、パナソニック製の「JT-R600CR」を紐づける形でP2PEに対応している。
タクシーメーター連動の「AT-7400」、非連動の「AT-2300EZ」
タクシー向けには、タクシーメーター連動の「AT-7400」、非連動のモバイル決済端末「AT-2300EZ」を用意している。AT-7400 はメーターや車載プリンターと連動し、コンパクトで多機能なため、タクシー会社のニーズに合っているという。一方、AT-2300EZは、メーターとは連動しないが、操作部、通信モジュール、プリンターが一体となるため、キャッシュレスのニーズが高いタクシー会社のニーズに対応し、複数の車両間など、臨機応変に使用できるとした。
セイコーソリューションズでは、2019年10月15日にAT-7400を利用したタクシー用決済システムにおいて、全国交通系電子マネーによる承認を取得している。同承認により、AT-2300/2300EZにおける交通系電子マネーの一般利用も可能となった。
決済系ソフトやフードサービスも提供
なお、セイコーソリューションズでは、決済系ソフトウェアとして、決済時の対外接続を統合するパッケージソフトウェア「SEGTRAN(セグトラン)」、カード決済自動パッケージソフトウェア「CAPS(キャップス)」といった決済系ソフトも展開しており、400社での採用実績がある。
また、飲食店向けには利用者のスマートフォンやパソコンから事前注文・決済、デジタル注文が可能な「オーダリング連携サービス Linkto」を提供している。デニーズには、メニューの注文、会計が、利用者のスマートフォンで 行える「デジタル注文決済サービス」を提供している。また、カッパ・クリエイトが運営する「かっぱ寿司」の持ち帰り予約注文に、来店者のスマートフォンやパソコンから事前注文・決済が可能なサービスを提供している。