2013年1月9日8:00
サーバ上で電子マネーのチャージ・支払いが可能な「楽天Edyオンライン」
「楽天あんしん支払いサービス」対応やCtoC(個人間)決済、海外サイトでの利用も検討中
楽天と楽天Edyは、サーバ上で電子マネー「楽天Edy」のチャージ・支払いができる決済サービス「楽天Edyオンライン」の提供を開始した。これにより、楽天会員IDを通じてサーバ型と従来のIC型の電子マネーを連携させたサービスが可能になり、オンラインで楽天Edyをやり取りできるCtoC(個人間)サービスや、海外サイトでの利用など、サービスの多様化が期待できるという。
スマホにチャージした楽天Edyをオンラインで利用できる
機種変更時の残高の移動も可能に
「楽天EdyはICカードやおサイフケータイにバリュー(価値)を保持していますが、CtoC(個人間)のペイメントなどへのフレキシブルな対応が難しい課題がありました。今回、サーバ管理型による自由度が増すことで、サービスの多様性がでてくると期待しています」(楽天 常務執行役員 和田圭氏)
楽天Edyオンラインは、クレジットカードや銀行口座からサーバ上に楽天Edyをチャージしてオンラインで決済することが可能であり、サーバにチャージした楽天Edyを「おサイフケータイ」にダウンロードして、オフラインの店舗でも決済が行える。楽天Edyでは、チャージの上限金額が5万円となっているが、楽天Edyオンラインでは、銀行口座やクレジットカードと併用することで、それ以上のバリューを利用することが可能になる。
また、おサイフケータイにチャージした楽天Edyをサーバにアップロードしてオンライン上で使うことも可能だ。楽天 チェックアウト事業 チェックアウト事業部 鈴木壮弥氏は、「IC型としての楽天Edyの良さを担保したうえで、IC側に蓄積されているバリューをオンラインに上げるなど、バリューの相互流通の仕組みを確保しています」と特徴を述べる。
さらに、おサイフケータイを搭載した携帯やスマートフォンの機種変更においては、旧機種に残った楽天Edyの残高をサーバ上にアップロードし、新機種にダウンロードして利用可能だ。和田氏は、「現状では、バリュー移動で手数料がかからないメリットもあり、機種変更の際にサービスを利用していただく方が多いです」と説明する。
楽天Edyオンライン残高による
楽天あんしん支払いサービスの利用が可能に
また、楽天グループ以外のサイトで楽天会員IDとパスワードを入力することで決済できるサービス「楽天あんしん支払いサービス」では、順次、楽天Edyオンラインに対応していく予定だ。
楽天では、楽天会員がショッピングモール「楽天市場」に加え、他のコマースサイトでも楽天会員IDを使い買い物が行えることを目的として、楽天あんしん支払いサービスを提供している。同サービスは現在、1,000サイト以上(2012年11月現在)で採用されており、導入サイトからは、他のID連携を行っている企業よりも数倍、決済金額が違うという評価を得ているそうだ。
すでに既存の導入サイトを中心に楽天Edyオンラインの説明を行っているが、和田氏は、「マーチャントにとっては、売上確定後30日以降にいつでも決済代金を引き出すことができるほか、現行のクレジットカードベースのAPIよりも自由度の高い機能提供が行えますので、多様な決済処理のニーズにマッチした仕組みとして、評価は高いです」と自信を見せる。
電子マネーの活用でクロスボーダー決済を強化
今後はウォレット・アプリケーションも検討へ
和田氏は、「楽天Edyでは、ICカードの仕様としてFeliCa ICチップを利用していますが、今回の展開によってバリューをオンライン側で保持ができることにより、楽天会員IDとの紐付が容易になり、ID認証のみによるフレキシブルな決済機能の提供が可能になります」とメリットを口にする。
将来的には、CtoCの個人間決済や日本向けにサービスを提供する海外サイト向けのクロスボーダー決済などに加え、スマートフォンのウォレット・アプリケーションを利用したオフライン決済を提供することも検討しているという。