2020年12月14日17:25
三井不動産および三井不動産商業マネジメントは、運営する三井ショッピングパークの公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」が、2017年11月のオープン以降拡充を続け、会員数が300万人を突破したと発表した。
「&mall」は、当初ファッション商品を核として約200ショップからスタートしたが、現在は約350までショップ数が拡大しており、取り扱いカテゴリも三井ショッピングパークのららぽーとをはじめとしたリアル施設と同様に、ファッションに限らずコスメ、インテリア、生活雑貨、ベビー・キッズ商品等、ライフスタイル全般を取り扱うECサイトとなっているほか、ICT活用による周辺機能も拡充している。
また、「&mall」は、出店者に新たな販売機会の創出を目指す「リアル施設共生型ECサイト」としての特長を持つサービスでもある。サービス開始当初から、リアル店舗における欠品対策やECサイトからリアル店舗への送客支援、店舗在庫のEC販売および店舗スタッフの情報発信によるリアル店舗活性化支援等、リアル施設との相互連携にも力を入れてきた。
リアル施設においても、ICT活用を加速し、「&mall」と連動したオムチニャネル化やコロナ禍においても利用者に安心して買い物を楽しんでいただける環境づくりを推進しているという。
具体的には、三井ショッピングパーク初となる「ライブコマース」を2020年12月14日より計6施設・約25店舗にて配信開始する。「ライブコマース」動画内で“欲しい”と思った商品は、ライブ動画内のリンクから「&mall」にアクセスすることで購入できる。購入場所を利用者のニーズにあわせて自由に選べるようにすることで、リアル施設とオンラインショッピングの垣根をなくし、より豊かなショッピング体験をお客様に提供するという。
また、「&mall」を活用したリアル施設のオムニチャネル化の一環として、実際に商品を見てからECで買い物をしたいという利用者のために、各施設でショールーミングのイベントを実施している。「&mall」ローンチ以降、約30回のショールーミングイベントを開催している。ショールーミングイベントでは、「&mall」で販売している通常商品に加え、WEB限定品や先行予約品の展示を行い、その場で実際に商品を試着したり、商品を手に取ってQRコードを読み取ることによって「&mall」上で購入できたりといった、リアル施設を活用した新しいオンラインショッピングの在り方をご提案している。
さらに、「&mall」は、全国の三井ショッピングパークのリアル施設で購入商品の受け取りができるサービス拠点「&mall DESK(アンドモールデスク)」を展開している(現在計19拠点)。その場で試着できること等が評価され「&mall DESK」での受け取り比率も増加しているそうだ。また、「&mall DESK」での購入商品の受け取り時には、利用者の希望に応じて段ボールの引き取りやショッパーへの詰め替えを実施している。また、一部物件(ららぽーとTOKYO-BAY、ららぽーと横浜)では無料ラッピングサービスの実施もしている。
AIの活用では、利用者からの問合せに対し、従来の電話、メール、FAQ掲載での対応に加え、新しい問合せ対応チャネルとして機械学習型AIエンジンを搭載したチャットボットを導入した。チャットボットとは、利用者からの問合せメッセージに対し、その内容をシステム側で判別して、チャットのやり取りのように自動返答するシステムだ。よくある質問およびその返答パターンをAIが学習していき、精度の高い顧客サポートの実現を目指す。このチャットボットの導入によって、利用者の疑問に24時間365日自動で、待たせることなく対応できる。
また、三井不動産は、2020年3月よりビームス、大日本印刷(DNP)と共同でRFIDを活用した店舗内商品の読み取りに関する実証実験を行っていたが、同実験により、実店舗におけるRFID活用の有効性を確認し、今後本格的な実装に向けて順次導入を進める段階へと進んでいる(実証実験は現在終了)。同実験では、店舗内にRFID読み取りアンテナを複数設置し、店舗内の商品在庫情報をリアルタイムでデータ化できるかの検証を行い、このほど、読み取った商品在庫情報を自動的に「&mall」に連携する仕組みを構築した。この新しい仕組みを活用して、10月よりビームスでは店舗商品を「&mall」で販売開始している。店舗内の商品在庫情報を自動的に「&mall」で表示、販売できるようになったことで、利用者は店舗以外の場所でも店舗商品を閲覧、購入できるようになる。また、店舗側も新しい販売チャネルが増えることにより、店舗の在庫商品をより効率的に販売することが可能になった。従来のECとは異なり、倉庫の商品だけではなく、店舗内の商品を販売できるようになることにより、リアル店舗での販売を重視している店舗の在庫一元化を実現する手段として注目されている。また、店舗在庫の販売チャネルを拡充することによって、昨今のコロナ禍におけるリアル店舗の売上減少対策としても有効に機能することが期待されており、ビームス以外の複数の店舗・ブランドでもRFIDを活用した店舗在庫商品の「&mall」でのオムニチャネル販売が決定しているそうだ。
リアル施設におけるICT活用では、2019年4月にららぽーと海老名でサービス開始したフードコートモバイルオーダー機能「スマホde注文」が、2020年9月からラゾーナ川崎プラザとアーバンドックららぽーと豊洲の2施設にも拡大した。「スマホde注文」は、施設公式アプリ「三井ショッピングパークアプリ」の画面から、フードコートの商品を選択、注文、決済することが可能で、店舗に並ばなくても席から注文できる便利な機能となっている。家族や友人同士でそれぞれ別の店舗のメニューを注文する時にもスムーズに購入することができ、快適に利用可能だ。
また、コロナ禍における感染予防意識の高まりや巣ごもり需要の増加に合わせ、フードコートの商品をテイクアウトできる機能も今秋新たに実装した。「スマホde注文」からテイクアウトを選択することで、フードコートメニューをトレイでの提供ではなく、テイクアウト用の器に入れて密閉した状態で渡すそうだ。
さらに、12月1日より、三井ショッピングパークでの買い物時に使用できるQRコード決済が新たに3サービス増え、計8決済サービスでの支払いが可能になった。全国のららぽーとや三井アウトレットパークなど、約70の三井ショッピングパーク施設の全店舗で利用できる。