2021年9月10日8:00
ヤフー(Yahoo! JAPAN)は、2021年7月から、同社が運営するオンラインショッピングモール「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」で、商品の注文から2カ月後まで代金の支払いを伸ばせる後払い決済サービス「ゆっくり払い」をスタートさせた。同8月からは、同社と提携するアスクルが運営する「LOHACO by ASKUL」でも同サービスを開始。クレジットカードを持たない利用者や商品到着後の支払いを希望する利用者らのニーズに対応した。(ライター・南文枝)
記事のポイント!
①注文後に届く請求はがきでゆっくり支払い
②Yahoo!ショッピング、PayPayモール、LOHACO by ASKULの全商品(一部除く)で利用可能に
③「ツケ払い」などを参考にサービスを設計
④新規をはじめ利用者の拡大につながる
⑤想定以上の需要を実感
⑥手数料の金額も評価を受ける
⑦さらなる認知に向けた課題は?
⑧他の支払い手段も含め便利な利用につなげる
順調に成長する「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」
注文後に届く請求書はがきで支払い
「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の過去5年の年平均成長率は+25.6%を記録しているように、順調に成長を続けている。キャッシュレス決済「PayPay」と連携した販促効果、年間利用者数8,000万人を超えた「Yahoo! JAPAN ID」の利便性により、既存顧客を維持しながら、新規顧客を継続して獲得しているそうだ。
新サービスは、ネットプロテクションズが提供する決済サービス「NP後払い」と、決済処理事業者のSBペイメントサービスのシステムを組み合わせて提供する。事業者の選定では公平に複数の事業者と協議を重ねたが、実績なども踏まえ、総合的に判断し、両社に決定したそうだ。
サービスの利用方法はこうだ。サイトで商品を注文する際に、「ゆっくり払い」を選択すると、商品とは別に、ネットプロテクションズから利用者のもとに請求書はがきが届く。利用者は、はがきに書かれた支払い期限までに商品代金を支払う。支払い方法は、コンビニ払い、銀行振込、ネットバンキング、LINE Pay請求書支払い、PayB(ペイビー)、ファミペイから選べる。
手数料は1決済あたり250円
グループ企業など後払い決済のニーズの高まりから導入
サービスが利用できるのは、金券や自動車、カーリースなど一部カテゴリーの商品、予約商品、非課税の商品を除いたYahoo!ショッピング、PayPayモール、LOHACO by ASKULの全商品。利用上限限度額は5万3999円(ゆっくり払いとNP後払いの累計金額、税込)で、利用者の手数料は1決済あたり250円(税込)。LINE Pay 請求書支払いは、請求金額が4万9,999円(税込)までの支払いで利用できる。
新サービス導入の背景にあるのは、ECサイトにおける後払い決済の拡大だ。ヤフーはこれまでYahoo!ショッピングなどで、クレジットカード払いやPayPay残高払いといった幅広い決済方法に対応してきた。さらに近年、代引き決済における対面での現金受け渡しへの抵抗感や、クレジットカード利用での情報漏えいリスクの回避などの理由により、後払い決済のニーズが高まってきたことから、同社でもサービスを始めることとした。
同じZホールディングスのグループ会社であるZOZOが同社のECサイトで提供する、商品代金の支払いを最長2カ月間まで伸ばせる「ツケ払い」などを参考にサービスを設計。支払い遅延などのトラブルを防ぐため、商品注文で後払いを選択した際に、未成年の場合は保護者の同意が必要などとした利用規約への同意を求める仕様にした。また注文時に、利用者に対してリアルタイムで与信審査を行う。
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