2022年4月7日17:48
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.は、従業員100人以下の中小企業経営者や経営者層に対し、コロナ禍においてビジネスを継続させるために実施した業務改革や、事業費決済のニーズについての最新調査結果を発表した。
調査では、中小企業の事業費支払い方法として、従来主流であった銀行振り込みや現金、小切手などに代わり、オンライン購買やクレジットカード等を利用したデジタル決済が大幅に進んでいることが明らかになり、政府や自治体のデジタル化の後押しもある中、今後の日本経済の成長の要である中小企業での決済方法もデジタルへ大きくシフトしている、という結果が出ているそうだ。
同調査によると、倒産や廃業、事業転換などビジネス環境の変化が大きく見られたコロナ禍にもかかわらず、調査対象となった中小企業の約半数(47%)が昨年、利益を増加させ、業績を回復させたそうだ。また、中小企業の約5社に1社は、二桁以上の成長だった、と答えた。
コロナ禍で業績の良い企業には共通した特徴が見られ、有事においてストレスや環境変化に対し、より柔軟で適応力がある、という結果が見られた。例えば、売上高の高いビジネスは、平均(47%)よりも業績好調の割合が高く(64%)、海外と取引がある企業(59%)も次いでポジティブな結果となった。業種別では、建設および建築サービス業は、他業種よりも業績好調の結果が多く見られた(66%)。逆に、小売業や製造業、売上高の低い企業もしくは国内のみで取引を行っている企業は、利益の減少が見られたそうだ。
さらに、多くの中小企業は今後の業績見通しに自信を持っており、全体として、86%が業績は上向くだろう、と答えている。特に、建設業関連では、93%が今後の業績は上向くだろう、と回答した。
また、コロナ禍以前より見られていた中小企業の業務改革は、コロナ禍を機に一気に加速し、ビジネスを継続するため、中小企業の多くがリモートワークなどの柔軟な働き方やオンライン購買への切り替え、社内システムのデジタル化などで対応している。調査に回答した30%の中小企業が、顧客、取引先、同僚との対面でのやり取りをデジタルに切り替え、また、中小企業の約3分の1がオンラインで購買を行い、約4分の1がデジタル決済を利用し取引先に支払いを行っている。中小企業がコロナ禍の環境に適応するため行った改革は、1位:短時間勤務導入等によるコストコントロール(34%)、2位:オンライン購買(32%)、3位:リモートワークの推奨(30%)という結果だった。
コロナ禍で取引が減少した結果として、今まで現金のみで支払いを行っていた中小企業は、キャッシュフローを維持するため、27%が新しい資金調達を探した、と回答している。資金調達先としては、銀行からの新規・追加融資(61%)、個人または法人貯蓄の切り崩し(55%)、また支払い猶予の活用や分割払いによるクレジットカードの利用(43%)、次いで、政府の融資(39%)となっている。
中小企業におけるデジタル決済として、事業費決済では、依然銀行振り込みが55%と最も多い一方、クレジットカード決済の占める割合が53%と2番目に高くなっている。
今後の事業費決済方法として、42%がクレジットカードの利用頻度を今まで以上に増やしたいと考えている一方、減らしたいと考えている中小企業は8%に留まっており、中小企業のデジタル決済は今後も増加することが見込まれる。また、事業費決済でのクレジットカード利用が増加している背景には、環境の変化によるものだけではなく、敏捷で効率性を重視する中小企業の体質に適合しているからと考えられる。
なお、今回の定性調査は、従業員100名以下、売上高350億円以下の中小企業経営者と経営者層20名に2021年11月13日~11月15日まで、オンラインでの、1グループ5名、4つのフォーカスグループへのデプスインタビューを実施した。また、定量調査は、従業員100名以下、売上高350億円以下の中小企業経営者と経営者層301名に対し、2021年12月8日~2021年12月18日まで実施している。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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