2011年3月7日7:00

コストを抑えてPCI DSSの完全準拠を達成
社内のセキュリティに対する意識も向上

決済代行事業者のテレコムクレジットは、2011年1月21日付けでペイメントカードの国際セキュリティ基準である「PCI DSS Version 1.2」の準拠証明を取得した。同社ではPCI DSSへの準拠を機に、加盟店がより安心してインターネットでのカード決済を行えるよう、サービスの拡充を図る方針だ。

決済代行事業者に求められるPCI DSS準拠

オールインワンの製品でコストと導入負荷を軽減

決済代行事業者のテレコムクレジットは月50万のトランザクションがあり、約5000の加盟店を抱えている。同社では2010年4月からPCI DSS準拠に向けた準備を開始。社内の6人のメンバーを中心に社員が一体となって取り組んだ。

カスタマーサポート部 システム部 部長 武内 準氏

「今や決済代行のビジネスを行う上でPCI DSSに準拠していることが当たり前であり、遵守していない場合は競合との比較でもデメリットにもなります。また、PCI DSSに準拠することにより、社員のセキュリティに対する意識を向上させる狙いがあります」(カスタマーサポート部 システム部 部長 武内 準氏)

同社では2010年12月末までの準拠を目指し、要件に合わせて現状の把握からスタートした。まず、PCI DSSに着手する上でのネックとなったのはコストの面だ。

システムに関しては刷新ではなく、既存のものをベースに補強を行う形で対応した。カード会員情報は各サーバに点在していた部分もあったため、Webサーバ上のログ、データベースサーバにそれぞれ集約した。

システム部 SEチーム 主任 丸山義和氏

「ログサーバに関しては、一カ所に集約し、Webサーバ上に残ったものは定期的に移動させるようにしました」(武内氏)

新規の製品・ソリューションとしてはファイル整合性監視ソフト、ログ監視ソフト、バーチャルパッチ、WAF、IDS/IPSなどの導入が必要になった。

「製品を選定する中で、すべての機能をオールインワンで提供しているものを見つけることに成功したため、当初想定していたよりはコストを抑えることができた。ネットワークの構成変更が必要な部分もあったため、現状の運用に影響を及ぼさないでシステムを切り替えていく作業が大変でした」(システム部 SEチーム 主任 丸山義和氏)

代替コントロールは要件3の暗号化部分で適用している。

「日々の運用をこなしながらPCI DSSの対応を行ったため、作業量が多く忙しかったです」(国際業務部 主任 平瀬俊典氏)

準拠にかかったコストは1,000万円

セキュリティへの取り組みを客観的にPR

結果的に当初の予定より1カ月伸びたが、2011年1月に完全準拠を達成した。同社では今回が初めての審査だったため外部にコンサルティングを依頼したが、1,000万円の金額に抑えることができた。

国際業務部 主任 平瀬俊典氏

準拠後のメリットとしては、営業活動をするうえでアピールになる点、セキュリティへの取り組みを客観的にPRできる点などが挙げられる。同社では加盟店に対し、カード会員情報非保持のサービスを提供しており、今後はPCI DSSに準拠したハイレベルなセキュリティをPRしていく方針だ。

「当面の課題はPCI DSSに対応した運用です。1年に1回、QSAの審査が入るため、社内的にはフローを守っていかなければいけません。確かにコストはかかりますが、セキュリティレベルを保つ上でPCI DSSの継続審査は必要です」(武内氏)

次回の審査はVersion 2.0の審査になるが、「審査のハードルが上がったというより、基準が明確になり柔軟性が増した印象があります。更新審査は2011年末にVersion 2.0の審査を行う予定です」と丸山氏は説明してくれた。

■PCI DSS準拠企業の事例一覧へ

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP