2011年4月21日19:01
NECは、2011年4月21日、社員証などの非接触ICカードの認証により、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、複合機、プリンタなどを自分のオフィス内と同様に使用でき、書類の作成から印刷までを行えるクラウドサービス「C&Cクラウド・ワークスタイル(仮称)」の試作システムを開発したと発表した。
C&Cクラウド・ワークスタイルは、クラウド・デスクトップサービスとクラウド・プリンティングサービスで構成している。すべての業務データやアプリケーションソフトとともに、仮想デスクトップ、認証、プリンタドライバなどプリンタ制御機能がクラウド上のサーバに置かれている。このため、利用者は使用する端末の種類を意識することなく、社員証などをかざすだけでほぼ同一の操作画面で書類作成などの作業を行うことができるという。さらに印刷が必要な場合は、印刷情報はクラウド側で保持する仕組みとなっているため、必要な時にどのプリンタからでも、社員証などをかざすだけで印刷できる。これにより、情報セキュリティの面で、従来は社外で扱うことが難しかった機密文章の作成・加工や印刷を、場所を選ばず安全に行うことができるという。
また、IDカードの読取り装置として、13.56MHz 、952-955MHz、2.4GHzの3つの周波数、6種類の主要なプロトコルすべてに対応した世界初のマルチリーダライタを提供している。同社では2011年3月にサービスを開始したRFIDケータイ/モバイルクラウドサービスの構築ノウハウを活用し、3G/WiMAXによる閉域型の高速モバイルネットワークを採用することにより、インターネットなどの公衆網を経由しないセキュアな通信環境を実現するという。
NECでは、2011年7月から、同システムを用いた社内トライアルを、NEC本社地区および玉川事業場など複数拠点で行う予定だ。また、同システムの仕組みを国内外の端末メーカー、プリンタメーカー、通信事業者、サービス事業者などに公開し、2011年度中の商用サービス開始を目指す。