2011年5月17日9:00
米クレジットカード会社は、リボルビング残高からあがる金利収入を主体とするビジネスモデルをとっているところが多い。
金融危機以降、失業率の高まりとともにリボルビング残高の不良化が顕著となり、ほとんどすべてのカード会社が残高を減らした。
特に大手6社合計では、2008年第2四半期から2011年第1四半期までの間、FRBが発表するリボルビング残高のうち4%シェアを落とし、66%となっている。6社とはバンクオブアメリカ、JPモルガンチェイス、シティ、ディスカバー、アメックス、そしてキャピタルワンである。
特にシティバンクは小売流通との提携カード残高を40%まで縮小。自社ポートフォリオも2008年第2四半期から13%減らしている。バンクオブアメリカも30%残高を減らした。
しかし、ここにきて金利収入モデルにもようやく薄日がさしはじめたようだ。
チェイスは買収したWAMUのポートフォリオを約半分までカットし、2011年下期には安定したリボルビング残高だけになると発表した。
キャピタルワンはKohl’s Corp.などの小売提携カードを買収し、残高の積みあげにアクセルを踏みはじめた。
クレジットカード会社の動向から、景気の先行きが読取れる。
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※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。