2024年5月29日10:00
ENECHANGE(エネチェンジ)は、2024年5月16日にEV充電定額プラン「エネチェンジパスポート」の記者発表会を開催した。6月3日からサービスを開始する「エネチェンジパスポート」では、太陽光発電等の出力が増加し余剰電力が生じやすい日中の時間帯に、月額2,980円(税込)の定額での充電が可能だ。
EVとEV充電インフラの現状と課題は?
日中の電力活用を促す
ENECHANGEは「エネルギーの未来をつくる」をミッションとして掲げており、EV充電事業、プラットフォーム事業、データ事業を展開している。同社は6kWの出力のケーブル付きEV充電器の導入台数と、EV充電アプリの利用者数は国内No.1となっている。さまざまな企業と連携して日本のEV充電インフラの普及に努めている。
同社では2024年3月、日本国内のEVやEV充電インフラの状況把握とユーザーニーズを調査するためにEVやPHEV利用者を対象としたアンケートを実施した。その結果、住まい別では、EV・PHEV所有者の75.4%が「戸建(購入)」に住み、「基礎充電なし」がわずか 8.6%なのに対し、集合住宅(分譲・賃貸)での「基礎充電がない」という回答が85%となった。不満な点の上位3位はいずれも充電環境に関してのものだ。また、「基礎充電なし」と回答した割合の高さと、「集合住宅に住む世帯」が多い都道府県は一致し、都市部における集合住宅における充電インフラ環境整備の遅れが浮き彫りとなった。さらに、基礎充電がないEV・PHEV所有者の購入後の「ランニングコストの低さ」の満足度が著しく低下し、「環境への配慮」についての実感が乏しい結果となったそうだ。
ENECHANGE EV充電サービス事業部長 執行役員 内藤 義久氏は同調査から、①基礎充電がなく充電スポットが不足している、②購入後にコストメリットを感じづらい、③購入後に環境への配慮を感じづらい、という課題が明らかになったとした。基礎充電がなくて困っている人物像の例として、50代で東京都などの都市型の集合住宅に住んでおり、日産のリーフやサクラ、テスラなどに乗っているような人々などがイメージとしてある。
日中の電力活用を促す取り組みとして、動く蓄電池である EV活用に期待が高まっている。ENECHANGEでは、電力の積極的な活用が期待される7時~16時の時間帯の活用とEV充電による新たな仕組みとして、月額のサブスクリプションサービスを提供する。内藤氏は「電気を昼間に使うことができれば、電力も価格も安定し安定的な供給になります」と話す。例えば、晴れた日に買い物や公園を散歩するついでにEV充電するといった利用を想定している。
デマンドレスポンスと EV充電を融合
月額2,980円で利用可能に
EV充電定額プラン「エネチェンジパスポート」では、日中時間帯のデマンドレスポンスと EV充電を融合することで、エネルギーの効率的な活用を推進するそうだ。
「エネチェンジパスポート」は、毎日7時から16時まで、エネチェンジの充電器が全国で充電放題で月額2,980円(税込)となる。スーパー、ゴルフ場、宿泊施設、アウトレット、テーマパーク、事務などにあるEV充電器を使用可能だ。
ひと月の充電による走行可能距離が 330km未満の場合はエネチェンジの都度料金、330km以上の場合、エネチェンジパスポートがお得だという。
ENECHANGEでは、米・豪・欧州のEV先進国24社のEV充電定額サービスを調査したところ、日中の電力を活用した類似プランはなかったという。その理由を欧米の専門家に尋ねたところ、「EV充電の事業者というのは必ずしもこの電力の調達に詳しいわけではないというのがあり、我々は電力切り替えとEV充電事業の両事業を行っていますので、ENECHANGE独自の発想ではないかというところで声をいただいております」と内藤氏は説明する。
目標は年間10万ユーザーに設定
PayPay導入で支払い手段の選択肢拡大
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