2024年5月31日9:45
デジタル決済プラットフォーム「KOMOJU(コモジュ)」を展開するDEGICA(デジカ)は、2024年5月30日に同社初となるオンライン・メディアラウンドテーブルを開催した。同社が実施した「ECサイトでの決済方法に関する購入者と運営者への実態調査」の結果をもとに、ECサイトと決済システムを取り巻く環境、業界のトレンドについて紹介した。また、Ingenico Japanと連携してリアルの決済端末投入を準備するなど、DEGICAの今後のビジネスの展望についても説明した。
65以上の取扱決済数
海外向け決済を順次追加
「KOMOJU」は2016年にサービスインした決済プラットフォームであり、日本および世界のEC事業者向けにサービスを提供している。ShopifyやWixなどのECプラットフォームとの連携や、KOMOJUが提供しているAPIを使った直接連携など、KOMOJUの導入だけでクレジットカード、コンビニ決済、スマホ決済、銀行振込、ペイジーなどの日本の決済方法から、韓国や中国など世界中の決済方法を利用できる。
もともとShopifyが日本進出する際にコンビニ決済などの支払い手段を必要としていたため、ローンチを手助けしたのがきっかけだという。すでに1万以上の導入実績があり、取扱決済数65以上、70社以上のパートナー企業を有している。2016年に日本円決済、2019年に韓国ウォン決済をローンチし、2021年には中国とヨーロッパへ進出した。2022年には東南アジア向け決済、2024年にはブラジルの需要増を受けて南米向け決済を追加した。
デジタルウォレット導入はニーズに比べ少ない
QRコード決済はオンラインにも浸透へ
同社では、EC取引の実態を調査することを目的に、EC サイトで買い物をする男女400名と、EC サイトで商品販売を行うショップの運営者100名を対象に、「EC サイトでの決済方法に関する実態調査」を実施した。同社では購入者と事業者の意識を調べることで、KOMOJUのブロダクト開発のヒントを見つけて活かし、“新たな決済の世界を開いていく”ビジョンに近づくために調査を行ったそうだ。
まず、購入者がECサイトで最も利用する決済方法トップ3は、1位が「クレジットカード」、2位が「デジタルウォレット(QRコード、ECスマホ決済など)」、 3位が「コンビニ決済」となった。クレジット決済はECサイトで中心的に利用される決済手段だが、近年はPayPayなどのコード決済を中心としたデジタルウォレットが伸びている。また、ECサイトで利用したい支払方法として31.3%がデジタルウォレットを挙げているが、まだまだ導入しているECサイトは多くないという。
さらに、普段の買い物で利用する決済方法トップは、1位「クレジットカード」、2位「現金」、3位 「デジタルウォレット」となっており、QRコード決済がオフラインの世界からオンラインへ浸透していることがうかがえるという。
最も利用する支払い方法の理由に関しては、「ポイントが貯まる・使えるから」が65.5%であり、「ポイ活」の普及度が自社EC で買い物する消費者層でも読み取れる。次いで、「普段お店でも使っている方法だから」(38.5%)、「既にECサイトに登録している支払い方法だから」(28.3%)と続く。オンラインショッピング利用時にあったら信頼できる点についての設問でも「ポイントが貯まる、使える」が65%を占めたことから、「ポイント」は今後の支払い方法として、注目すべき点だとした。
KOMOJUの中で特に決済額・利用率が増加しているのがQRコード決済だ。2021年には同社データの1.95%にとどまっていたが、19%まで伸びている。また、日本に加え、特にアジア圏で今後の成長が見込まれる。
越境ECのニーズが拡大
業種によってはクレジットを上回る手段も
ECサイト運営者が決済システムを選ぶ際に重要視する点(複数回答)は、「料金の安さ」(62%)、「入金の早さ」(57%)、「使いやすさ」(53%)、「決済方法の豊富さ」(51%)という結果となった。また、海外を含め、どの国から注文があるかについての問いでは、「国内からの注文のみ」が 46%、「国外からの注文あり」が 54%と半数以上が国外からの注文を受けている。海外から注文が多いトップ 3 の国は「韓国」(37%)、「台湾」(33%)、「中国」(32%)となり、次いでアメリカ・カナダ(27%)、そして「東南アジア」(22%)となった。コロナ禍を機に越境ECのニーズが増えており、KOMOJUでは、越境EC対応の支払い手段として、中国のAlipayやWeChat Pay、韓国のTOSS、NaverPayなどの導入が進んでいるという。
さらに、決済システムを選ぶ際に重要視する点として、「決済の安全さ」は 49%だったが、システム導入後は“セキュリティの重要性”、“決済方法の豊富さ”に関しても強化すべき点として認識されているとした。
KOMOJUの2024年1月~3月の業種別の決済データを見ると、「ファッション・アクセサリー」や「玩具、ゲーム、嗜好品」ではコンビニ決済とPayPayがクレジットを上回っている。例えば、若年層はコンビニ決済の志向があり、PayPayの利用が増える。また、ファッション系ではあと払いのPaidyなどの利用も多いという。
「コンピューター・ソフトウェア」では、クレジット、コンビニ決済、銀行振込と業種によって利用される手段が異なる。
利用者は、希望の支払方法がないと、「買い物をやめる」「他のサイトで買い物をする」割合が多くなるため、機会損失を防ぐためには、主要な支払方法を導入しておく必要があるとした。例えば、普段の買い物が生活圏内にあるコンビニエンスストアが生活のインフラになっている現金主義の層が一 定層いることを認識し、コンビニ決済の導入は重要だとした。
新決済端末提供でオムニチャネル強化
国内競合は?手数料競争にならない価値提供
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