2023年10月17日8:38
決済端末を提供するIngenico Japanは、2023年10月10日に設立10周年記念のイベントと記念パーティを東京ドームホテルで開催した。当日はIngenico Japanのこれまでの取り組みと2023年にローンチ予定のプロジェクト、 国内パートナーと連携した事例などを紹介した。
2023年は極めて重要な局面に
日本市場への投資を継続
当日はまず、Ingenico President and Chief Executive Officer (CEO) Laurent Blanchard(ローホン ブランシャール)氏のビデオメッセージを紹介した。同氏は「2022年は挑戦の年でしたが、2023年は極めて重要な局面を迎えました。『AXIUM DX8000』を発表し、最新の無人自動機ソリューションを発表しました。新しいプロジェクトを共有できるのを楽しみにしております。私たちが力を合わせれば日本の決済とeコマースの未来を切り開くことができるでしょう。成功を分かち合いダイナミックな未来に進んでいきます」と語った。
続いてIngenico COO Nigel Lee(ナイジェル リー)氏が挨拶した。同氏は「日本は高いポテンシャルを秘めた市場でありデジタル決済をめぐる多くのチャンスがあります。インジェニコは日本のマーチャントがこのような機会を活用し、卓越した決済体験を提供できることをお約束します。日本の加盟店や消費者のニーズと成功に合わせた革新的な決済ソリューションを幅広く取り揃えており、我々の提供するものは決済というよりコマースというべきでしょう」と話す。
Ingenicoでは日本のパートナーとの関係を築き、独自のニーズを理解することに投資してきたそうだ。Nigel氏は「日本市場に全力を注いでおり、今後も大きく拡大していく準備ができています」と意気込みを見せた。
20万台以上の決済端末を日本市場に提供
Phosの買収でSoftPOSを強化
日本でのこれまでの事業の説明とロードマップについては、Ingenico Japan 代表取締役社長 Xavier Michel(グザビエ・ミシェル)氏が説明した。同氏は「日本の決済業界は重要な転換期を迎えています。インジェニコジャパンが次の10年を目指して前進してまいります」と語った。
同社は2013年8月に国内進出し、12月に日本国内における総代理店契約を締結した(当時はLyudia)。2017年3月にIngenico Japanへ社名変更し、2020年には決済プロセッサーのWorldline(ワールドライン)から出資を受けて傘下となったが、2022年10月にアポロ・グローバル・マネジメントの関連会社が管理する投資ファンドによる買収が完了している。
国内では日本カードネットワーク(CARDNET)のJET-S端末を皮切りに、NTTデータや富士通フロンテックなどのパートナーとビジネスを展開しており、現在、20万台以上の決済端末を日本市場に提供している。同社の端末は、大手百貨店、食品、スーパーマーケット、家電量販店、宿泊施設、自動販売機などに設置されている。
同社では、2013年から展開しているTETRAシリーズに加え、AXIUMシリーズの国内展開を開始。「AXIUM DX8000」を提供予定だという。同イベントでは同端末を採用した日立ソリューションズに加え、パートナーとなるDEGICAが登壇して新端末を発表している。
また、コロナ禍以降需要が拡大している無人機市場において芝浦自販機と共同で「Self/5000」という無人機組込み型の製品を投入。同端末は、国内電子マネーに加え、国際ブランドのタッチ決済にも対応しており、今後も増加が見込まれる外国人観光客のニーズに応えられるとした。2023年から24年にかけて「DX8000」「RX5000」「RX7000」というニューモデルの提供を予定しており、日本における各種認証の手続きを進めていく。2023年4月には、SoftPOSのプロバイダであるPhosの買収を発表した。PhosはさまざまなアクワイアラやPSP(ペイメント・サービス・プロバイダー)に対して、高機能かつ柔軟なサービスを提供しているという。同買収をきっかけにCOTS(汎用端末)活用の決済など、新たなサービスの戦略的な拡大を目指す。
ポイント、オムニチャネル、スマートリング、生体認証決済、電子レシート…
日本のパートナーとの共創でビジネス拡大へ
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