2024年12月10日7:35
トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、新潟交通が運営する一部路線バスにおいて、利用状況可視化に向けた実証実験を2024年12月12日に開始すると発表した。同実証実験は、新潟市の「令和6年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」の支援を受け、新潟交通の協力により実施するもの。
2024年12月11日に新潟市産業振興センター「5Gビジネスラボ」にて事前テストを行い、翌日12月12日から22日までの11日間、新潟市内を運行する一部路線バス車内にAIカメラを設置し、バスの利用情報を取得する。
人口減少や運転手不足により公共交通が衰退するなか、TMNは、交通とその先にある消費の場をつなぐことで、人流促進や地域活性化につなげられると考え、持続可能な公共交通に貢献する取組みとしてバスDX化を推進している。路線バスは、交通渋滞や天候など外部要因により定時運行が難しいことや、ピーク時とオフピーク時の需要の変動が大きいことなどから、運行計画の適正化が課題となっている。TMNは、正確な利用実態を把握し、課題解決につなげることを目的に利用情報の取得を行うシステムを開発中だ。
同実証実験では、乗降情報と年代、属性情報(利用者推定情報)を取得し、システムの実用性や、取得データの解析について検証を行い、将来的には顔認証決済システムなど、より実用化に向けた精度向上を目標としている。
乗車口および降車口に設置したAIカメラが利用者の顔画像をデータ化し、利用者属性を推定するとともに、GPS情報で停留所を特定、乗車時と降車時それぞれで推定した利用者が一致した場合、「いつ、どこから乗って、いつ、どこで降りたか」を乗降情報として記録するそうだ。
なお、バス車内にて撮影された映像データは、セキュリティ環境の整った通信回線で分析システムに送信され、バス利用者の乗降分析の目的にのみ使用し、TMNにて厳正な管理を行い、実証実験終了後速やかに削除するという。また、特徴量データによるバス利用者様の特定は行わない。
TMNは、これまでに、新潟交通や関越交通の協力のもと、新潟市および渋川市内の路線バスにおいて、利用状況の実態把握に向けた実証実験を行っており、今回実施する実証実験は合計3回目となる。