2024年12月25日12:28
トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、電子レシートの表示画面上に、購買情報に応じて任意のURL リンクを設定できる技術を開発し、特許(特許第7603771 号)を取得した。
同システムを活用することで、消費者は電子レシートの表示画面から、購買した商品に関連する情報へワンクリックでアクセスできるようになり、購買体験価値の向上が期待できるという。また、流通事業者にとっては、購買者に対するマーケティングやリテールメディアとして活用できるため、消費者と流通事業者の双方に対して電子レシートに新たな付加価値をもたらすことが可能だとしている。
経産省の「IoT 等を活用したサプライチェーンのスマート化」の取り組みのひとつとして電子レシートの活用が推進されていることに加え、環境配慮やDX 化の潮流を背景に電子レシートへの注目が高まっている。このような状況下でも、電子レシートはそれほど広く普及していないそうだ。その要因の1つには、流通事業者が導入コストに見合った電子レシート利用メリットを見いだせていないことが挙げられる。こうした課題に対応するため、TMN では電子レシートの価値向上に向けた取り組みとして本特許技術を発明した。
特許技術を組み込んだシステムを活用することで、購買内容に応じたURL リンクを自由に設置でき、消費者に鮮度の高い情報を提供できる。これにより、キャンペーン、買い合わせ商品、季節などさまざまな条件に応じて、マーケティング施策を実行可能だ。
消費者にとっては、購買商品のアレルギー情報やレシピ、お得な情報などをワンクリックで入手できるため、新たな買い物体験ができるという。小売事業者やメーカーにとっては、顧客接点拡大やロイヤルティ向上につながる。小売事業者はリテールメディアとして同特許を活用することで、新たな収入源の創出も可能だとしている。
流通事業者が利用しているオンプレミス型のPOSシステムには、システム構造上データの柔軟性や迅速性に制約があるため、POSデータの活用には一定のハードルが存在している。TMNは、従前からPOSデータの代替としてレシートデータに注目し、購買動向の分析において高い価値を持つレシートデータを購買データとして活用促進していくことを目指している。
なお、2023年にはレシート印字情報をもとに購買情報をデータベース化するシステムを開発し、特許(特許第7200421号)を取得している。