2011年10月12日17:09
ベライゾンビジネスは、米国時間の2011年9月28日、「ベライゾン2010年ペイメントカード業界コンプライアンスレポート」を発表した。同調査によると、多くの企業がペイメントカードの国際セキュリティ基準である「PCI DSS」の準拠に難航していることが明らかになった。同調査報告書では、PCI DSS準拠に関する全体的な現状分析に加え、企業がPCI DSSの全12要件について、どの程度遵守しているかを検証し、具体的な提言を述べている。
2011年の調査結果として、PCI DSSの初回アセスメントにおいて、準拠すべき要件を満たしている企業は全体のわずか21%となった。また、今年度の調査報告書によると、データ漏えいにつながった多くの企業はPCIDSSに準拠していなかった。
準拠が困難な、4つの要件については、要件3「保存されるカード会員データの保護」、要件10「追跡と監視」、要件11「システムとプロセスの定期的なテスト」、要件12「情報セキュリティポリシーの整備」を挙げている。
また、同報告書では、企業がPCI DSSを準拠する上で、ただの指針として扱い、セキュリティを脅かすリスクに対して優先順位付けができていないと指摘している。その結果、多くの企業は、最もリスクの高いセキュリティ脅威があるにも関わらず、それらの可能性を意識していないという。
さらに、カード会員のデータへアクセスするために使用される最も一般的な攻撃方法は、マルウェアとハッキングだが、PCI DSSの要件は、これらの攻撃からデータを保護するために有効であると説明している。
PCI DSSに準拠するための提言としては、まず、コンプライアンスの遵守を日々の継続的な作業として扱うことを挙げている。また、自己査定ではなく、第三者による客観的な審査が必要であるとしている。さらに、2010年10月にPCI DSS Version2.0が発表されたが、既存の基準の遵守はもちろん、新しいバージョンに対する準備を速やかに整える必要性を挙げている。