2016年1月28日19:49
ジェムアルトは、日本を含むグローバル調査により、高まる決済データのセキュリティリスクおよび モバイル決済方式の安全性に対する不安が明らかになったと発表した。
同調査はジェムアルトの委託によりPonemon Instituteによって実施され、日本、米国、英国、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、インド、ロシア、中東、南アフリカのITおよびITセキュリティ専門家3,773人から回答を得たという。
決済データのセキュリティに関する独自調査によると、調査対象者の半数以上(54%)が自社で決済データに関するセキュリティ侵害もしくはデータ漏えいがあり、平均して過去2年間に4回経験したと回答した。
また、55%は自社の決済データが保管されている、もしくは置かれている場所を知らなかったそうだ。さらに、決済データのセキュリティ対策が一元化されておらず、責任の所在は最高情報責任者(CIO)にあるとの回答が28%、事業部門が26%、コンプライアンス部門が19%、最高情報セキュリティ責任者(CISO)が15%、その他の部門が14%だった。
また、54%が決済データのセキュリティは自社におけるセキュリティ対策優先項目の上位5位に入っていないと回答し、決済データ保護のために十分なリソースが割り当てられていると感じていたのはわずか3分の1(31%)だった。
さらに、59%が自社では第3者に決済データへのアクセスを許可していると回答し、そのうちアクセス保護のために多要素認証を活用していたのは34%だった。
そのほか、決済データをPOS(販売時点管理)からデータ保管場所もしくは金融機関へ送信する際、データを保護するために自社でエンドツーエンド暗号化を活用していると回答したのは回答者の半数以下(44%)に留まった。また、74%は自社がPCI DSSに準拠していないか、一部のみ準拠していると回答している。
なお、同調査によると、今後2年間で、モバイル、非接触、電子財布など新たな決済方式の採用は倍増するとされている。今日、モバイル決済は全決済方式の9%にとどまるが、2年間で全決済の18%まで増加すると回答者は予測している。従来の決済方式で決済データの安全性を確保するのが難しいと企業のITセキュリティ専門家が回答したことを考慮すると、企業は新たな決済方式でさらに多くの困難に直面する可能性が高いと指摘している。実際、同調査によると、これらの新しい決済方式は決済データをリスクにさらしていると調査対象者の4分の3近く(72%)が確信しており、54%が自社組織の既存セキュリティプロトコルではこれらのプラットフォームをサポートすることができない、もしくは確信が持てないと回答したそうだ。