2012年4月20日10:00
日本セーフネットは、三重県松阪市の公立病院・松阪市民病院が、セーフネットのソフトウェア・ワンタイムパスワード「MobilePASS(モバイルパス)」を採用し、2要素認証による強固なユーザ認証を実現したと発表した。
松阪市民病院では、病院情報システムと呼ぶ本格的な電子カルテを導入し、画像検査のフィルムレス化を推進している。同システムを院内外で安全に利用できる遠隔医療連携システムを構築し、訪問看護の業務などに利用している。今後は、夜間の救急診療時に宿直の医師が判断を下す際に、院外にいる主治医や専門医に自宅などで診断画像を見ながら、意見を聞くといった利用法も計画しているそうだ。しかし、院外から院内のシステムにアクセスするには、不正アクセス、なりすましなどによる情報漏えいや事故の発生が懸念材料となっていた。そのため、ワンタイム・パスワードのような認証環境を強化する必要があった。
日本セーフネットのMobilePASSは、他社と比べ、利用ライセンスが低コストであるという。また、管理サーバーソフトが無料で導入できるため、導入・運用コストを大幅に削減可能だ。さらに、iPadのタブレット端末だけでなく、iPhone, AndroidなどのスマートフォンやWindows PCなどからでもソフトウェア・ワンタイムパスワードの2要素認証で安全にシステムにアクセスできる高い汎用性も強みとなっている。
ICカードやトークンのようなハードデバイスも不要で、ソフトウェアだけでワンタイム・パスワードが生成可能となっている。
現在は、院内における利用が中心だが、順調に稼働しており、確実にユーザ認証の強化につながっているそうだ。また、遠隔連携システムの環境をMobilePASSに切り替えて運用しているが、運用管理上の負担の軽減につながっているという。
松阪市民病院では今後、IP電話の導入も計画している。同病院では、試験的に院外で試用しながら、本格的な利用拡大を進めていく予定だ。