2012年7月2日8:00
カード利用促進の革新的ソリューション
☆☆☆ カード連動型特典でカード稼動率と客単価アップ ☆☆☆
Card Sync Marketing
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
●マーケティングツールとしてのカード
決済ツールとしてのカードがいま、広告業界やマーケティング業界で、一躍注目を集めるようになってきた。カードをマーケティングツールとして使おうというのだ。
スマートフォンとカードをシンク(Sync:同期)する。ソーシャルメディアとカードをシンクする。あるいは、電子利用明細とカードをシンクする。シンクすることによって、実売につながるマーケティング施策を提供できるようになったのである。
オンライン広告は、クリック数でマーケティング費用を払わなければならない。1回のクリックでマーケット担当者が支払っている金額は、約80セントだ。けれども、クリックの70%はオフライン実店舗での売上げで、それを追跡できなかった。
しかし、カードとシンクすることによって、オフライン実店舗での売上げを捕捉できるようになったのである。スマートフォンや電子利用明細などに特典情報を送り、それとカードをシンクして、ショッピングする。だれが特典に興味をもち、そのうちだれが実際にカードを使って特典を獲得したか、それをシームレスに追跡できるようになった。
広告主にとって、販売に確実に結びつくマーケティングツールは魅力的だ。決済ツールだからシームレスなトラッキングが可能になる。実売に結びついたときだけにマーケティング費用を払えばいい。いままでこんな便利なツールはなかった。
●ハッピー・トライアングル
カード会社にとって、カード稼動率を上げ、客単価を高めることは、最重要課題である。いままではポイント付与がその役割の一端を担っていた。
しかし、規制強化によってポイント原資を捻出するのが年々むずかしくなってきている。日本だけでなく、米国でも欧州でも同じように苦しい。
特に米国ではクレジットカードだけでなく、デビットカードにも規制がかかり、カード発行会社に入る手数料が約半分になってしまった。そんなときに、救世主のようにあらわれたのがカード連動特典である。
カード会社にとってのメリットは、カードをマーケティングツールとして利用するため、その対価、つまりマーケティング手数料を広告主からもらえる。しかもこれとは別に、個別広告主の特典をカード会員に還元できる。いままでのポイント付与とは比較にならないほど、大きなキャッシュバックや割引き特典がつくのである。
カード利用者は、カードとスマートフォン、カードとソーシャルメディア、カードと電子利用明細をシンクすれば、自動的にカード会員に特典が付与される。クーポンをプリントアウトすることも、特別なコードをスマートフォンにダウンロードすることも不要だ。
広告主は、特別な端末を用意する必要がない。スタッフに新たなオペレーションを訓練する必要もない。特典を設定すれば、あとは今まで通りカードを受付けるだけで、確実に売上げがアップする。
カードシンクマーケティングは、カード利用者、カード会社、加盟店というカードビジネスの関与者すべてが利益を享受できる仕組みだ。カード利用は当然のことながらアップする。カードシンクマーケティングは、関与者すべてがハッピーになれる革新的なソリューションである。