池袋・新宿・上野・渋谷で共通ポイントカード「エクポ」を展開(グッドスタッフ)

2012年7月5日8:00

池袋・新宿・上野・渋谷で共通ポイントカード「エクポ」を展開
ヤマダ電機や松屋フーズ等と協力し、地域でのドミナント展開を強化

グッドスタッフは、池袋・新宿・上野・渋谷の地域活性化を目的として共通ポイントカード「エクポカード」を発行している。同社では、ヤマダ電機や松屋フーズの大手企業と連携し、地域での囲い込みを強化するとともに加盟店のCRM展開を積極的にサポートしている。

5%と還元率の高さが特徴

ヤマダ電機との提携で認知、利用が拡大

グッドスタッフは、2008年から、共通ポイントカード「エクポカード」を発行している。現在、池袋・新宿・上野・渋谷の4つのエリアにおいてサービスを展開。グッドスタッフ 代表取締役 中野知和氏は、「エクポは、エリアを限定したドミナント展開による地域密着型のポイント事業となっています」と特徴を説明する。

共通ポイントカード「エクポカード」

エクポの加盟店としては、居酒屋がもっとも多く、そのほか、ラーメン、カラオケ、美容室などが名を連ねる。利用者は、11業種550店舗以上のエクポ加盟店でカードを提示すると、クーポンサービスや利用額に応じてエクポポイントが平均5%付与される。エクポは、還元率の高さが特徴となっており、早く、多くポイントが貯まるメリットがある。また、利用者は貯まったポイントを加盟店で現金の代わりに利用することが可能だ。そのほか、優待店舗でエクポカードを提示すると10%OFFサービスやワンドリンクサービスなどが受けられる。

エクポの名を利用者に広めるきっかけとなったのは、家電量販店大手のヤマダ電機との提携だ。ヤマダ電機は、池袋や新宿にも店舗を構えているが、エクポポイント1,200ポイントをヤマダポイント1,000ポイントごとに交換するサービスを行っている。同時に、エクポ加盟店で買い物をすると1,000円ごとに10ポイントのヤマダポイント引換券がもらえる取り組みを実施。これを機に加盟店は増加し、会員の利用も2倍に増えたという。

中野氏は、「現在でもエクポポイントからヤマダポイントに交換する会員は最も多く、提携の効果は継続して表れています」と話す。ヤマダ電機の場合、一回当たりの交換金額が他のポイント交換に比べて高い特徴があり、発行ポイントの交換金額が最も多い。

渋谷地域へのサービススタートを機に松屋フーズと提携

エクポカードの提示で「生玉子」または「半熟玉子」を1個サービスするキャンペーンを開始
※キャンペーンは7月8日に終了予定

グッドスタッフでは、2011年12月16日から、渋谷地域へのサービスを開始したが、同時に牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズとのキャンペーンを展開した。同提携により、エクポを展開する池袋・新宿・上野・渋谷の4エリアの松屋32店舗にエクポカードを設置した。

牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズとのキャンペーンを展開

「松屋さんの来店客と弊社の会員の利用者の層が近く、地域貢献を目的としたエクポのコンセプトにご賛同いただいたため、提携に至りました。弊社では松屋さんにポスターなどの設置を行うなど、エクポの認知と普及に努めています」(グッドスタッフ エクポ事業部 営業統括 市村真哉氏)

また、エクポを展開する地域の松屋32店舗でエクポカードを提示すると、「生玉子」または「半熟玉子」を1個サービスするキャンペーンを行っている(※7月8日に終了予定)。さらに、エクポポイント600ポイントごとに「松屋お食事サービス券」700円相当に交換可能だ。

2012年に入り利用金額は毎月過去最高を記録

CRMを強化し常連顧客をつくるカードを目指す

同社ではバーコード付きのカードを約40万枚発行。そのうちWebから登録した会員数は約5万人となっている。課題としては、貯まったポイントを如何に交換してもらうかであるが、同社では加盟店に対して貯まったポイントを使ってもらうようにPRに努めている。

2011年からは、加盟店の導入費用の体系を変更。エクポ加盟店は、基本料金として定価4万円が必要となり、その後はポイントの発行費用と5%の成果報酬をグッドスタッフに支払う仕組みとなる。例えば、100円で5ポイントを発行した場合、加盟店は5円のポイント発行費用と5円の成果報酬料金の計10円を支払うことになる。ただし、加盟店でポイントが利用された場合は、グットスタッフからその金額が加盟店に支払われる。

なお、エクポのシステムは、セールスフォースドットコムと連携して自社でクラウドベースのシステムをつくり込んでいる。旧端末は、読み込む機械と通信する端末が分かれていたが、2010年からカシオ計算機の「CASSIOPEIA(カシオペア)」に変更したことで、それを同時に行えるため、加盟店の利便性が高まった。

グッドスタッフ 代表取締役 中野知和氏

同社では、エクポ会員へのCRMサービスについて、加盟店と協力して取り組んでいる。加盟店は、Web画面を通して、曜日や時間帯別にどの程度、ポイントの付与、利用があったかを閲覧できるが、同社ではその機能の拡充に努めている。現在は、各社とも共通ポイントというよりは、自社のポイントカードとしての囲い込みに力を入れているそうだ。その成果もあり、「利用金額の推移は、2012年に入り、毎月過去最高を記録しています」と市村氏は笑顔を見せる。各社のCRM展開は徐々に形になり、加盟した多くの企業から、すぐ結果を出すことが可能になったという声をもらっているという。

現在、加盟店から会員に対しての販促施策は、時間ごとの割引内容の変更やメールマガジンを配布する活動が中心だが、今後はより効果を高めるため、SNSを利用してメッセージを配信するシステムを検討している。

また、以前は、街頭でカードを配布してエクポの会員登録を勧めていたが、現在は加盟店の従業員が常連顧客に対し、自発的にカードを配布するケースが増えたという。

「例えば、自社ポイントカードを発行している加盟店でエクポカードを並行して導入している加盟店においては、来店頻度と利用単価はエクポカードの方が高い結果が表れています。これにより、エクポのポイント価値の高さを感じていただいています」(市村氏)
また、ほかにも共通ポイント事業を展開する企業はあるが、「弊社のポイントは新規客の取り込みはもちろん、常連顧客を獲得するためのツールだと捉えています。そのため、他社とは競合にはならないと感じています」と市村氏は説明する。

現在は、渋谷の加盟店の伸びが著しく、毎月10~20加盟店を獲得しているという。同社では今後のエクポの取り組みとして、「加盟店の数を獲得するよりも、あくまでも利用者の生活圏の中でドミナント展開を心がけていきたい」(中野氏)ということだ。

すでにCASSIOPEIAは「NFC」の読み取り機能を搭載しており、今後は、FeliCa技術を搭載したおサイフケータイによるポイントサービスも検討していきたいとしている。また、スマートフォンの多彩な機能を活用した顧客サービスの開発も進めている。同社ではシステムの開発とともに、加盟店へのフォロー、同社営業スタッフの体制の強化に力を入れ、「常連顧客をつくるためのカード」としての役割を強化していきたいとしている。

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