2012年11月20日8:00
NFCラボは、2012年11月17日、NFC技術を利用した世界初の商店街でのイベント「Touch ♪ Downtown 六角橋」を神奈川県横浜市の六角橋商店街で開催した。
従来のNFC実証実験は限られたエリアにおいて複数の関係者のみで行われることが多かったが、今回は商店街の中にシステムを組み入れ、実際に商店街に訪れた人がシステムを体験できるイベントとなった。「5年後、10年後に“未来の普通”になる場所で実験をやりたかった」というNFCラボ会長の山下計画 代表取締役 山下哲也氏が、テレビ番組を見て六角橋商店街連合会にメールで直接依頼し、実証実験に至った。
同イベントでは、六角橋商店街のレトロ劇場で、カード形状の「FeliCa Lite」を配布。凸版印刷、ブレインハーツ、ソニックムーブ、フジシステム、ブリリアントサービス、ブレイブテクノロジーの各社がNFC技術を活用した企画を実施した。
凸版印刷は、「非接触戦隊ロッカク!」と題したアトラクションを展開。6人のヒーローの腕にNFCスマートフォンを取り付け、人々がカードでスマートフォンにタッチすると、ロッカクオリジナルステッカーをプレゼントした。また、6枚コンプリートするとお菓子をプレゼントしたが、特に子供には大人気で、すぐにステッカーやお菓子がなくなってしまったという。
ブレインハーツは「ジオフェンスタッチ」を提供。参加者には、架空のフェンスに入ると有効になるクーポンをスマートフォンに配信し、店舗に添付したポスターにタッチするとクーポンが有効になり、ビールが無料になる取り組みを実施した。今回は、端末を10台レンタルし、六角橋商店街に訪れた30人に体験してもらったそうだ。
ソニックムーブは、気になるキーワードにスマートフォンをタッチすると「食べくら横丁」(六角橋周辺の気になっていた“あの店”“この店”の名物料理を、少しずつ一度にいろいろ食べ比べができる企画)会場内の店舗を検索することができるアプリケーションを提供した。
フジシステムは、スマートフォンにカード等をタッチすると、ユニークなフレームが登場しカメラと合成した写真が撮れる「NFCカメラ」を紹介した。また、撮影した写真を印刷できる仕組みも提供した。
協賛企業のブレイブテクノロジーは、電車の乗車履歴やカードのチャージ額をポイント換算し、友達と対決できる簡易バトルゲーム「NFC BATTLE GAME」を展示した。「これからマッシュアップして新たな使い方を模索していきたい」(ブレイブテクノロジー 磯本悟氏)
ブリリアントサービスは、「星宝転生ジュエルセイバー」と連動したリアルソーシャルイベント「ジュエルセイバーOFFLINE」を実施。参加者は、NFCカードを4つのタッチポイントにかざすことでキャラクターを育成させ、最終地点のゲームブースでは、他の2人の参加者とタッグを組みボス戦に挑戦。勝てば、賞品が手にできるゲームを実施した。「ソーシャルの世界だけではなく、新しい技術を使って街中や外に出て楽しめるような場を作っていきたいです」(ブリリアントサービス 藤田健介氏)
なお、同イベントでは、ソニー、ヤフー、クアルコム、NECビッグローブ、シャープ、KDDIも協賛している。例えば、KDDIでは、今年の秋冬端末ではAndoridスマートフォンの8機種でNFCにサポートするという。
「韓国でも明洞の商店街でNFCが使える状況になっています。パリでも6月から使えるようになるみたいですし、ロンドンもオリンピックを機に6万箇所、使える箇所が増えています。KDDIでもFeliCaを8年間やってきましたが、今後はクーポンやポイントなど、皆さんの日常生活になじんだものしていきたいです。日本では六角橋からということで期待しています」(KDDI 阪東謙一氏)
NECビッグローブは、タブレット端末や3G回線の提供面で協力した。また、シャープは、凸版印刷が使用したNFCスマートフォン、ソニーは六角橋商店街に訪れた人に配布したカード形状の「FeliCa Lite」を提供した。
当日はあいにくの雨模様となったが、数多くの人がNFC技術を体験し、イベントを楽しんだ。また、協賛企業・出展企業、六角橋商店街によるトークショーも行われた。