2012年11月28日11:23
柏市は、総務省が進める「ICTスマートタウン」の実現に向けた「ICT街づくり推進事業」に9者のコンソーシアムで共同提案し、委託先候補として選定されたと発表した。実施企業は、柏市と、イーソリューションズ、日本ヒューレット・パッカード、三井不動産、メディシンク、エーイーエムシージャパン、国際情報ネット、ストリートメディア、ユーシーテクノロジとなる。
柏の葉キャンパスを中心とする柏市全域は、地域活性化総合特区、環境未来都市のダブル指定都市であり、公民学連携による自律した都市経営により、環境・エネルギー問題に対する「スマートシティ」、超高齢化社会に対する「健康長寿都市」、日本経済再生を担う「新産業創造都市」という3つの課題解決モデルの実現を目指している。
同事業において、ICTプラットフォームや、さまざまなビッグデータの利活用基盤の構築を行うことで、3つの課題解決モデル実現に向けた取り組みを加速させ、住民目線での便益最大化を目指すという。具体的には、個人・行政・民間情報を共通ID(ucode:さまざまな「モノ」や「場所」等を識別するための固有識別番号)により統合化するICTプラットフォームの構築を目的としている。
また、上記プラットフォームと連携する健康データ見える化サービス等を通じて、住民の自発的な健康管理を促し、健康増進と疾病予防で病気にならないライフスタイルの普及を目指す。
プロジェクトとしては、千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅周辺(柏の葉スマートシティ)において、住民便益につながるICT利活用の仕組みを構築し、さまざまなサービスをモニター参加者に対して実証提供する。具体的には、(1)エネルギー・個人健康データの統合見える化システムの構築、(2)人・モノ・情報・サービスへのID付与、共通ID(ucode)に基づく様々なデータ基盤の連携、(3)デジタルサイネージ等を活用した地域防災力の強化、の3つについて検証する。
地域防災の強化については、デジタルサイネージ、ucodeタグを利用して、通常時と非常時において、異なる行政・地域情報を発信する仕組みを構築するという。同取り組みではNFC技術が利用される。通常時は、地域活性化につながる地域イベント等の行政情報、民間広告、ucodeタグを利用した地域情報発信を行う。一方、非常時には、地域防災の強化につながる行政情報、緊急放送、ucodeタグを利用した避難経路情報等を発信するという。