2013年3月14日8:13
最短翌日入金のスマホ決済サービス「楽天スマートペイ」を提供
楽天が提供する「楽天スマートペイ」は、加盟店のスマートフォンに小型のカードリーダを差し込むことで、クレジットカード決済端末として利用できるソリューションである。加盟店はアプリを起動して、金額を入力し、顧客のクレジットカードをカードリーダに通す。センターとのオーソリ後、顧客にアプリ上でサインをしてもらい、レシートはメールで送信する仕組みとなっている。
初期費用2.980円、決済手数料4.9%に設定
加盟店は最短3営業日で利用が可能
楽天スマートペイで対応するカードブランドは、Visa、MasterCardだが、楽天カードは国際ブランド(Visa、MasterCard、JCB)に関わらず利用可能だ。楽天 スマートペイ事業 事業長 小林重信氏は、「加盟店のニーズを満たすシンプルなサービス」であると自信を見せる。
審査・決済・入金は既存のクレジットカード決済同様のフローだが、リーダの製造や加盟店の開拓、入金処理などはすべて楽天自らが行い、その強みをサービスとして付加している。
まず、加盟店は初期費用2,980円で利用可能だ。また、決済手数料は一律4.9%に設定している。サービスへの申し込みは、個人および法人での契約が可能だが、最短3営業日で利用がスタートできるという。同社によると、審査の自動化を実現したことで、スピード感のある審査が可能になったそうだ。これにより、例えば週末の催事で急遽、決済端末が必要になった事業者でも導入が可能となった。スマートフォン決済で懸念される不正利用については、厳格な審査を行っているため、大きな問題は発生していないそうだ。
加盟店のキャッシュフロー改善に貢献
デバイスの持ち運びが容易
加盟店に提供するサービスとして、「入金サイクルの早さはもっともアピールできる」と小林氏は話す。例えば、振込先口座として楽天銀行を指定した場合、カード決済取引の翌日に送金が可能だ。これにより、「キャッシュフローの改善につながる」(小林氏)。また、楽天銀行以外の金融機関を指定した場合には、加盟店が振込申請をした翌営業日に送金を行う。
加えて、スマートフォンで通信できる場所であれば、どこでも決済が可能な点も特徴となっている。CAT端末などと違い、コード接続が不要で、デバイスの持ち運びが容易なため、レジ以外でクレジットカード決済を利用したい事業者に支持されているそうだ。
セキュリティ対策にも力を入れる。カードリーダは、PCI PTS推奨の「DUKPT」方式のキーマネジメント方式およびAESによる暗号化を実施。クレジットカード情報を暗号化しているため、カードリーダや端末には情報が残らず、加盟店も利用者も安心して利用できるという。
すでに楽天スマートペイは、旅館、宅配デリバリー、スタンディングバー、ファッション、ファーマーズ・マーケット、屋外バー、居酒屋フードコート、個人出張ネイルなど、さまざまなシーンで導入されている。従来、クレジットカード決済の導入が遅れていた業種・業態からの申し込みも多いそうだ。
具体的な加盟店の獲得目標や売上金額については非公表だが、順調に導入企業は増えている。今後は、楽天が提供する他のサービスと連携したサービス等も検討していく方針だ。また、KDDIでも、2013年4月1日から、法人向けに楽天スマートペイの取り扱いを開始すると発表しており、さらなる加盟店の拡大が期待できるという。