2013年7月3日12:50
三井住友カードと九州カードは、NTTデータがグローバルブルージャパンの「カレンシーチョイス」をベースに提供する「CAFIS多通貨決済サービス」を活用し、日本国内における実店舗での外貨建てカード決済サービスを2013年7月3日に開始したと発表した。同サービスに対応した決済端末を導入した加盟店では、訪日外国人等の海外カード利用者に対して、店頭で「自国通貨建て」か「円建て」か、決済通貨を選択してもらうことが可能となる。
通常、訪日外国人客等が海外発行のクレジットカードを日本の実店舗で利用する場合、店頭での利用時点では円建てで決済し、後日、為替レート確定後に、自国通貨で換算された決済額がカード発行会社等から顧客に通知・請求されることとなる。
その点、今回開始するサービスでは、店頭でのカード利用時点で為替レートを確定させるため、従来の円建てでの金額に加え、顧客の自国通貨に換算された決済金額を店頭で提示し、顧客自身が円建てか自国通貨建てかのどちらで決済するかを選択できるようになる。これにより、為替レートが不安定な時期等であっても、為替変動のリスクを心配する必要がないという。
また、加盟店のオペレーションは、海外発行カードでの取引時には自動的に外貨建て・円建て双方の金額が自動的に提示されるため、決済通貨を選択する操作以外は、通常の円建てのクレジットカード決済と同様の取り扱いとなる。カード会社から加盟店への入金も、従来通り円建てのため、手間や負担が少なく導入しやすいサービスとなっている。
また、NTTデータの提供するクラウド型の「CAFIS多通貨決済サービス」の活用により、同サービスに対応した決済端末の導入加盟店では、決済端末を置き換えることなく、ソフトウエア更新だけで対応できるため、導入時の費用負担を抑えることが可能だ。
さらにNTTデータでは、銀聯カード、電子マネー(Suica等交通系電子マネー、WAON、楽天Edy、iD、Visa payWave、MasterCard PayPass)等の決済手段に対応したサービスも提供しているため、1台の決済端末で顧客の多様な決済ニーズに幅広く対応することができるという。
なお、1台の決済端末で外貨建ておよび円建て双方のクレジットカード決済、および、銀聯、電子マネー等に幅広く対応することが可能となるのは、日本国内で初のケースとなる。また、POS接続用のインターフェースも用意しており、加盟店の決済システム環境にあわせて、選択することが可能だ。
同サービスでは、訪日外国人旅行者数や日本でのクレジットカード利用が多い国を対象に、14通貨に対応。まずは7月より、特にアジアからの旅行者が多く訪れる九州・福岡の「キャナルシティ博多」、「マリノアシティ福岡」などの複合商業施設、「リーガロイヤルホテル」や「シャングリ・ラ ホテル東京」などの宿泊施設等への導入が決定しており、今後も海外からの旅行者が多く利用する地域・業種を中心に同サービスの導入を推進していく方針だ。