5年以内に10倍の売上増を目指す「キャッシュパスポート」

2013年12月4日8:00

5年以内に10倍の売上増を目指す「キャッシュパスポート」
Tポイント付与やマルチカレンシーカードの発行で顧客利便性向上へ

マスターカードのグループ会社のアクセスプリペイドジャパンは、MasterCardブランドを付帯したトラベルプリペイドカード「MasterCardキャッシュパスポート」の発売を行っている。留学マーケットを中心に利用者を堅調に伸ばしており、来年発行する「マルチカンレンシー キャッシュパスポート」により、さらにユーザーの利便性を高めることができるとしている。

トラベルプリペイドで現金からの置き換えを図る
留学・旅行エージェントを中心に留学生に訴求

MasterCardキャッシュパスポートは、世界210カ国の加盟店での買い物や210万台以上のATMで現地通貨を引き出すことが可能だ。MasterCardキャッシュパスポートで用意する通貨は5種類。英国ポンド、ユーロ、日本円、米国ドル、豪ドルとなっており、現状、人気のあるカードは日本円と米国ドルとなる。

MasterCardブランドを付帯したトラベルプリペイドカード「MasterCardキャッシュパスポート」。写真はTポイント付きキャッシュパスポート
MasterCardブランドを付帯したトラベルプリペイドカード「MasterCardキャッシュパスポート」。写真はTポイント付きキャッシュパスポート

2004年から、「ATMキャッシュパスポート」を販売していたが2010年4月から、加盟店でも利用できるMasterCardキャッシュパスポートの発行に切り替えた。これを機に、ユーザーの利便性が向上し、発行枚数は一気に伸びたという。

「弊社では外貨両替マーケットの置き換える商品として、キャッシュパスポートを位置づけています。現金よりもお得に現地通貨を引き出せます」(アクセスプリペイドジャパン 営業企画 シニアマネージャー 桐山博文氏)

現状、同社では数百社の代理店と連携してキャッシュパスポートの拡販を実施。
「留学生のマーケットは10~20万人あると言われております。留学生は一度使っていただくと、長期に利用される傾向にあり、毎月定期的な入金があります。今後は提携チャネルを増やし新たな需要を開拓していきたいです」(桐山氏)

また、カード会社と連携してサービスを推進。カード会社としてはオリエントコーポレーション、セディナ、トヨタファイナンス、ポケットカード、東急カード等と連携している。また、オンラインでのアフィリエイトでの告知も強化しており、Web経由の売上も増加しているという。

2011年から2012年は売り上げが倍で伸びており、今年度も順調に伸びている。

ICチップ搭載の法人カードは中小企業を中心に訴求
7通貨に対応したマルチカンレンシーカードを来年発行

ド「MasterCardコーポレートキャッシュパスポート」
ド「MasterCardコーポレートキャッシュパスポート」

同社では、日本で初めてとなるICチップ付きの法人向け海外専用プリペイドカード「MasterCardコーポレートキャッシュパスポート」の提供を開始した。桐山氏は、「通常、個人のクレジットカードで立替払いとなるため、ご出張などでご活用いただきたいと考えています。目先としては中小企業の利用を想定しています。また、現地通貨を現金よりも有利な条件でお引き出しいただくことも可能です」と説明する。

来年に向けては、最大10通貨まで外貨への両替を可能にする「MasterCardマルチカレンシーキャッシュパスポート」の準備を進めている。これが実現できれば、ユーザーの利便性がさらに高まることは間違いない。

「まずはマルチカレンシーをいち早く実現させたい」と桐山氏は意気込む。キャッシュパスポートマルチカレンシー発行後は、利用者自身がインターネット上のアカウントを開き、その中で通貨を移動できるため、利便性が向上し、同社自身も売り上げアップが見込める。

アクセスプリペイドジャパン 営業企画 シニアマネージャー 桐山博文氏
アクセスプリペイドジャパン 営業企画 シニアマネージャー 桐山博文氏

2011年8月1日からは、国内最大級の共通ポイントサービス「Tポイント」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)子会社のTポイント・ジャパンと提携し、「MasterCardキャッシュパスポート」によるATMでの現地通貨の出金、および加盟店でのキャッシュパスポートの利用において、200円で1ポイントのTポイントを付与するサービスを行っている。

「利用に応じてポイントが貯まるメリットがあるため、ポイントの発行額は順調に増加しています。Tポイントは4,736万人のアクティブ・ユニークユーザーがおり、外貨両替でポイントが貯まるため、さらにその魅力を訴えていきたいです。今後もこういった提携は進めていければと考えています」(桐山氏)

最後に桐山氏は、「3~5年かけ、売上を今の10倍にしたいです。海外では、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドが成長市場で、例えばオーストラリアでも大手銀行が発行を開始したため、売り上げは急激に伸びました。日本でもそういったきっかけがあれば大きく伸びる可能性はあると考えています」と意気込みを語った。

 

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