2014年8月8日8:00「OKキャッシュバック」アプリの利用活性化に向けNFCを活用「Smart Wallet」はウォレットサービスとして浸透
SKプラネット(SK Planet)は、韓国大手キャリアのSKテレコム(SK Telecom)の子会社となる。同社では、モバイルウォレットとして「Smart Wallet」のサービスを展開。また、2年前にNFC(Near Field Communication)を推進するチームを結成し、韓国最大のマルチポイントプログラムである「OKキャッシュバック」のアプリの付加サービスとして機能を提供している。
2年前からNFCの推進チームを結成
加盟店1万店舗にNFCの読み取り端末を設置
SKプラネットは2011年10月に設立。各種アプリケーション、音楽、動画などのデジタルコンテンツ事業、広告・マーケティング事業を展開している。2013年2月には、韓国最大の共通ポイントサービス「OKキャッシュバック」を運営しているSKマーケティング&カンパニーと合併している。OKキャッシュバックは、約5,000万人の人口がいる韓国において、3,200万人の会員を有している(アクティブ・ユニークユーザー)。
SKプラネットでは、2年前からNFCの推進チームを組成。OKキャッシュバックはオフラインを中心にロイヤリティサービスを展開しているが、キャリアのSKテレコムが展開するモバイルサービスとNFCを組み合わせることにより、顧客とのコミュニケーションをさらに強化できると考えたそうだ。
事業に向け、OKキャッシュバックの加盟店1万店以上にNFCの読み取り端末を設置。OKキャッシュバックのスマートフォンアプリケーションでは、NFCを端末にタッチすることで、クーポンなどのベネフィットを提供している。
「これまでモバイルを端末にタッチする行動はあまりありませんでしたので、どうすればお客様にタッチしていただけるかを検討してきました。SKではOKキャッシュバックの加盟店というタッチポイントがありましたので、サービスを提供できました」(SKプラネット NFC NC PF Biz Team シニア・マネージャー 白東俊〈Baek,DongJoon〉氏)
OKキャッシュバックの利便性向上が目的
2014年に1,000万のアプリのダウンロードを目指す
同事業は、収益確保よりも「OKキャッシュバックのサービスをさらに便利に利用してもらう」ためのものであるという。ユーザーに端末にタッチしてもらう回数を増やすことにより、プラットフォーマーとしての魅力を打ち出していきたいとしている。また、NFCだけでなく、Bluetooth Low Energy(BLE)なども含めてオフラインのサービスを強化しているそうだ。
サービスの活性化に向けては、「ある程度の可能性は見えてきた」と白東俊氏は笑顔を見せる。非接触で端末にタッチする行為自体は交通カードで日常的に行われているため、Bluetoothに比べ理解は早かったそうだ。SKプラネットでは、OKキャッシュバックアプリのダウンロード目標として、2014年内に1000万の達成を掲げている。
「Smart Wallet」は2013年に1,000万のダウンロードを突破
約20%が月に10回以上利用するヘビーユーザー
なお、SKプラネットでは、スマートフォンアプリとして「Smart Wallet」を展開。Smart Walletは、大手を含む数百の企業の会員証やマイレージプログラムの管理が可能となっている。例えば、OKキャッシュバックカード、大韓航空・Sky Pass、ロッテメンバーカード、SPCハッピーポイントなど、メジャーな会員プログラムの管理が行える。また、NFCによるモバイル決済、クーポンサービスなども提供。さらに、過去のポイントカードの利用履歴や決済の支払履歴など、家計簿としての利用も可能だ。
Smart Walletは、2010年6月からサービスを提供したが、2013年にダウンロード数は1000万を突破。白東俊氏は、「スマートウォレットは約20%がヘビーユーザーで月10回程度の利用があります。80%の方が月に1回~2回の割合で利用しています」と説明する。ただ、スマートウォレットの中でNFCを利用している人は、それほど多くはないそうだ。
「プラスチックカードの場合、忘れることも多いので、いつも持っている携帯の中に入れておけば便利です。また、カードの発行費用を削減できるため、将来的にはさらに普及すると思います」
過去にKDDI等と実証実験を実施
下半期はアプリ利用者へのプッシュ配信などを強化
そのほか、ウォレットサービスについては、「11番街」というオンラインショッピングモールを展開。海外でも事業を展開している。「11番街」では、複数のクレジットカード情報と紐づけて簡単に決済できる「Paypin(ペイピン)」が利用可能だ。Paypinはスマートフォンに複数の決済手段やクレジットカードを保存して決済に利用する方法であり、パスワードの入力のみで便利に支払いが可能となる。また、モバイルでギフトを贈れるサービス「ギフティコン(Gifticon)」の日本での展開にも力を入れていきたいとしている。
なお、NFCスマートポスターについては、明洞で実験を実施。また、日本のKDDIと共同で新大久保において実証実験を行ったが、実際の利用等については課題も多かったという。
白東俊氏は、「下半期にはSmart WalletとOKキャッシュバックアプリの利用者に対して、店舗からのクーポンや、お得な情報のプッシュ配信を行う『POC(Point of Contact)』のサービスを強化していきたいです」と意気込みを語った。
※本インタビューは2014年5月に行われました。