2014年8月29日7:48無料POSレジアプリ「Airレジ」で飲食サービスを支援「ホットペッパー グルメ」との連携でネット予約の管理が可能に
リクルートライフスタイルは、2014年8月28日、Apple Store, Ginzaにおいて「スマートデバイスで変わる外食産業の未来像」と題したトークカンファレンスを開催した。同社では、飲食や小売りなどの各種サービス業で必要なレジ業務が iPhoneやiPadで行える無料のPOSレジアプリ「Airレジ」を展開している。同カンファレンスでは、「Airレジ」とグルメ・クーポン情報サイト「ホットペッパーグルメ」との連携で実現できる「新たな外食のあり方」について紹介された。
「Airレジ」の登録アカウント数は4万を突破
スマホ決済の「Square」などとの連携も強化
「Airレジ」は、2013年11月にサービス提供を開始。小売りやサービス事業者は、アプリをダウンロードするだけでサービスを利用でき、POSシステム導入のコストを抑えることが可能だ。また、直観的な操作が可能であり、従業員の業務負荷軽減も実現できる。2014年3月末時点でのアカウント数は4万を突破。2014年度は10万アカウントの登録を目指している。
また、グルメ・クーポン情報サイト「ホットペッパー グルメ」やリクルートポイントのポイントアプリ「Airウォレット」など、店舗の集客面もサポート。さらに、ヘアサロン&ビューティーサロン検索予約サイト「ホットペッパービューティー」に掲載中のヘアサロン向けに無償提供しているクラウド型予約管理システム「SALON BOARD」と連携し、会計レジ・売上管理機能をヘアサロン向けにカスタマイズして提供している。今後は、顧客情報の管理機能も提供する予定だ。
外部企業とのアライアンスも行っており、モバイル決済サービス「Squareレジ」、全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」、飲食店向けに鮮魚をネットや通販で販売する八面六臂と連携している。リクルートライフスタイル 執行役員 大宮英紀氏は、「Squareについては、既存のAirレジユーザーからのお申し込みも多い」と成果を口にする。今後もPOSレジに関連する企業とのアライアンスは積極的に行っていきたいとしている。
「ホットペッパー グルメ」との連携でテーブルごとに予約を確認・登録
ドラッグ&ドラップで予約時間を簡単に変更可能
Airレジでは、このほどグルメ・クーポン情報サイト「ホットペッパー グルメ」との自動在庫連携機能を追加した。「ホットペッパー グルメ」は、総掲載店舗数70万店、詳細情報掲載店舗数7.8万を誇る。インターネットを介したネット予約者数では、2013年度の年間予約実績が1,000万人を突破している。また、2014年度は200%の伸びがあるそうだ。リクルートライフスタイル「ホットペッパー グルメ」プロデューサー 南裕樹氏は、「いつでもどこでも、ポイントが貯まるのでお得に予約できる利便性が受け入れられています」と成長の要因を述べる。ユーザーの動向をみると、70%以上がスマートフォンからの利用となっているそうだ。
従来、飲食店の予約は紙の予約台帳で行われるケースが多いため、ネット予約の転記ミスなどが起こる可能性がある。また、Webでの席情報の管理も課題となっている。「ホットペッパーグルメ」の参加企業は、管理画面から設定を行うことにより、「Airレジ」から「ホットペッパー グルメ」経由で入ったネット予約を管理可能だ。「ホットペッパーグルメ」経由の予約は自動的に「Airレジ」の予約台帳に反映。そのため、ダブルブッキングなどの心配もないそうだ。また、予約の変更が電話で入った場合、ドラッグ&ドロップで予約時間を簡単に変更できる。さらに、テーブルごとに予約を確認・登録可能だ。
「ホットペッパーグルメ」利用者は、スマートフォンなどから現在の空席情報を閲覧できる特徴がある。従来、週末などの店舗混雑時は、利用者が各店舗をまわり空席を確認するケースも多かったが、スマートフォンを見れば一目で空いている店舗を確認できる。
同社では、飲食店向け機能開発と支援体制を拡充しており、200名の専任導入支援スタッフを全国に配置しているそうだ。
2020年に向けサービスを拡充へ
店舗と顧客との関係を深めるサービスを目指す
当日は、キャイ~ン天野ひろゆきさん、鳥貴族 専務取締役 中西卓己氏、ITジャーナリストの林信行氏を招いてトークセッションを実施。天野さんは、芸人仲間と飲みに行く際、後輩芸人が空いている店舗を探していたそうだが、その手間がなくなると喜んでいた。
大阪、東京、名古屋を中心に焼き鳥屋を運営する鳥貴族では、PCサイトとスマートフォンサイトを立ち上げているが、「PVでも2.5倍くらいスマホが多い」(中西氏)そうだ。また、PCの120%に比べ、スマートフォンは200%のアクセスの伸びがあるという。ユーザーの閲覧のピークは17時となっており、その場で集まって気になる店舗の情報を収集している傾向にあるそうだ。
また、林氏は、「246 COMMON」等で導入されているSquareやイタリア・ミラノ、香港などの飲食店におけるIT活用事例を紹介。今後の「Airレジ」には、雨の日にはこういう商品・サービスが売れるといった情報と連携することにより、ビッグデータ的な活用に期待していた。
今後の「Airレジ」の展開としてリクルートライフスタイルでは、2020年に向けて、海外の人でも便利に利用できるサービスを提供していきたいとしている。また、国内外で話題となっている「事前決済」については、飲食店などのオペレーションが改善できるサービスであれば展開していきたいそうだ。大宮氏は、「店舗の業務負荷を軽減したシステムを提供することはもちろん、店舗と顧客との関係を深めるサービスを提供していきたい」と意気込みを見せた。