MKグループがプリペイド機能付ポイントカード「TACPO」を展開

2014年10月3日8:00プリペイド機能付ポイントカード「TACPO」を展開チャージに加え、支払いでもポイントが貯まるカードでリピーターを獲得

京都を中心に、東京・大阪・名古屋・神戸など全国8都市でタクシー、ハイヤー、観光バス事業などを展開するMK(エムケイ)グループは、2010年11月1日からプリペイド機能付ポイントカード「TACPO(タクポ)」を展開している。現在、MKグループのうちTACPOを導入しているのは京都、滋賀、名古屋、札幌の4都市。チャージ(入金)に加え、支払いでもポイントが貯まるサービスを提供することにより、日常的に同社のタクシーを利用するリピーターに定着、現在乗客の2人に1人はTACPOを持っているそうだ。

「TACPO」発行を機にグループでサービスを統一
登録者のうちチャージして利用する人は約12~13%

「TACPO」は、ポイント機能に加え、プリペイドカードとして繰り返し入金(チャージ)が行える。タクシー業界では、ポイントカードを発行している企業は多いが、サーバ管理型のプリペイドカードを独自に展開しているケースはほとんどなく、これだけの台数規模と府県をまたいで実施するのは国内で初めてのケースとなるそうだ。

プリペイドカードとして繰り返し入金(チャージ)可能な「TACPO」
プリペイドカードとして繰り返し入金(チャージ)可能な「TACPO」

「ポイントカードの要望はもともとお客様からありましたが、京都でも他社が先行して展開しています。弊社ではグループのMK石油が2008年3月から、バリューデザインのプリペイドカードサービスを導入しており、ポイントとプリペイドを合わせて展開することで、他社との差別化を図れると思いました」(MK 経営企画部 企画広報課 吉見仁志氏)

当時、MK石油はプリペイド機能のみのプリペイドカードを発行していたが、TACPO導入に合わせてポイント機能を付け、グループでサービスを統一した。現在TACPOは、上記4都市のMKタクシーに加え、MK石油、ボウリング場、旅行部門でも使用可能だ。

TACPOは入会費や年会費は不要で、入金額に応じて、ボーナスポイントが付与される。1枚のTACPOにチャージできる金額の上限は20万円までで、1回3万円まで入金可能だ。また、MKタクシー・そのほかMKグループ各施設での利用金額に対して、ポイントを貯めることができる。貯まったポイントは1ポイント=1円換算で利用可能だ。さらに、有効期限は最後の利用から1年間となっている。

サービス開始から4年近くが経過したが、「定着している手ごたえは感じている」と吉見氏。TACPO利用者はリピーターが多く、20~30代の女性、40~50代の男性、高齢者がボリュームゾーンとなっている。利用者は、現金払いでもポイントが貯まるため、抵抗なく利用されているそうだ。

MKタクシーは、京都・滋賀・名古屋・札幌において計約1,000台のタクシーを運行しており、1日に2万3千組以上が乗車している。ドライバーが直接カードを勧めることで、入会に結び付けている。吉見氏は、「お客様にはポイントが貯まる便利なカードであること、そのうえ、チャージすればさらにお得にポイントが貯まる魅力についても紹介しています」と説明する。

現在の登録者のうちチャージして利用する人は約12~13%。同社では、入金時に1万円で1%、2万円で2%、3万円で3%のボーナスポイントを付与している。過去にはチャージボーナス2倍キャンペーンを実施したこともある。通常は3万円のチャージで900ポイントが付くが、その期間は1,800ポイントを付与することで、6%のボーナスポイントを獲得可能だ。通常1日あたりグループ全体で1,100万円の入金が、キャンペーン中は3,000万円に増えるという。吉見氏は、「チャージ利用者は、確実に弊社のサービスをお使いいただくお客様なので、継続利用につながっています」と成果を口にする。

カードを配布した人のうち約26万6,000人が登録
Webのマイページからのクレジットカードチャージも開始

TACPOは個人情報の登録がなくてもポイントは貯まるが、貯まったポイントの利用にはWebか登録用紙からの登録が必要だ。また、登録しておけばカードを紛失した場合の再発行も可能なため、MKでは積極的に登録を促している。現状、カードを配布した人のうち約26万6,000人が登録しており、登録率は約23%となっている。サービス開始当初はカードを浸透させるため、タクシーの乗客に数多くカードを発行したそうだが、最近では必要な人にのみカードを配布しており、登録率は高まっているそうだ。

ドライバーの丁寧な接客に加え、GPS配車システムを駆使したコールセンター、スマホ配車アプリ、MK専用のりばなど、利用いただきやすい環境作りに努めているという
ドライバーの丁寧な接客に加え、GPS配車システムを駆使したコールセンター、スマホ配車アプリ、MK専用のりばなど、利用いただきやすい環境作りに努めているという

会員登録を促す施策としては、Web登録を行った人に100ポイントをプレゼントしている。その際、メール登録は必須となっており、同社では登録者に「キャンペーンメール」を配信しているそうだ。

「会員登録していただくことにより、どのようなお客様が利用されているかというデータを取得でき、直接メールによりアプローチが可能です。現在、メールは11万人の方に配信しています」(吉見氏)

同社では、顧客利便性強化を目的として、Webのマイページからのクレジットチャージを2014年8月1日から開始した。利用者は、PC、スマートフォン、フィーチャーフォンのすべてでクレジットチャージが可能だ。クレジットカードの場合は、発行会社のポイントも付与されるため、3万円のチャージで1%のボーナスポイントを付与している。すでにWebで便利にチャージを行う人もおり、利用者の半数以上が3万円のチャージとなっている。

「MKスマホ配車」利用でポイントが1%アップ
取得した情報の販促への活用を目指す

なお、スマートフォンでの配車については、独自アプリ「MKスマホ配車」を提供している。MKスマホ配車はコールセンターに電話することなく簡単にタクシーを呼べるのが魅力だが、同サービスを利用すればTACPOのポイント付与率が1%アップするそうだ。

スマートフォンでの配車が可能な独自アプリ「MKスマホ配車」
スマートフォンでの配車が可能な独自アプリ「MKスマホ配車」

「コールセンターの場合、お客さまから電話が殺到してつながりにくい時間帯もありますが、TACPOのポイントを付与することにより、スマホ配車サービスを便利にご利用いただければと考えています」(吉見氏)

また、同社ではMKグループで利用できる商品券の販売を行っているが、将来的にはTACPOをギフトとして利用することも検討していきたいとしている。

TACPOを導入した際の会員数の目標は20万人だったが、すでに26万人の登録があるため、一定の成果は感じているそうだ。今後は取得した情報を販促にどのように結び付けていくかを考えていきたいとしている。

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