2014年10月14日8:30
Bluetooth/NFCを利用してスマホで自動車のドアの開施錠が可能に
大日本印刷(DNP)と東海理化は、2014年10月8日に開催されたNFCフォーラムの「Tap into NFC Showcase」において、スマートフォンを利用して車のドアの開施錠が可能なシステムのプロトタイプを展示した。
NFCはスマホのバッテリーがなくなった際の利用を想定
今回、両社が開発したシステムは、スマートフォンにアプリをダウンロードして車の開施錠を行ったり、車の状況のモニターが可能になるもの。メインはBluetoothによるリモートの操作を考えているが、仮にスマートフォンのバッテリーが切れた場合にはNFCのカードエミュレーション機能を利用してドアの開施錠が可能だ。
スマートフォンアプリには、BluetoothとNFCの2つの独立的な仕組みが載っているという。BluetoothとNFCを使ってスマートフォンと暗号通信を行い、間違いなく車に登録されたキーであると認識されれば、ドアロック・アンロックとエンジンの使用ができるそうだ。 Bluetoothについては、10メートル前後の距離を確保している。また、車のドアには非接触リーダとして透明なアンテナを搭載しており、NFCスマートフォンをかざすことでドアを開けることが可能だ。 またスマートフォンアプリでは、給油の状況やバッテリーの状態など、車の中で制御している状態を確認できる。
今後は実証実験を行い早期の実用化を目指す
今回、東海理化では、スマートフォンとBluetoothおよびNFCで通信するためのECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)を開発。一方、DNPはSIMに搭載したICアプレット、スマートフォンアプリ、SIMにアプレット及び鍵情報等を書き込む為のサーバー「SP-TSM」を提供している。
通常の自動車の場合、専用の登録ツールを車に接続し、登録モードにしているが、両社では、同様の方法で車を登録モードにしてからBluetoothのペアリングとSIMに書き込まれたkey IDを登録する方式を考えている。また、Key情報はSIMに入っているため、仮にスマートフォンを交換する場合はサーバにロードして、新しいスマートフォンにダウンロードすれば繰り返し利用できるシステムとなるそうだ。 今回展示したシステムはプロトタイプだが、今後はビジネスを立ち上げるための実証実験なども行っていきたいとしている。自動車1台当たりの導入コストについては数万円を想定している。