2021年2月24日19:11
大日本印刷(DNP)と東海理化は、スマートフォンでさまざまな鍵の施錠・解錠を行えるデジタルキープラットフォームの提供を2021年2月24日に共同で開始した。
同プラットフォームは、自動車などのモビリティ分野に加え、小売・流通業や住宅業界などの分野を対象に、デジタルキーの配信・管理を行う。デジタルトランスフォーメーション (DX) が進み、生活者の意識がモノの所有からシェアリングに変化すると予想されるなか、自動車や家のドアの開閉やロッカー等での荷物の受け渡しなどのサービスをスマートフォン1台で利用できるようになるそうだ。モビリティ分野が求める高い情報セキュリティ技術をDNPが、自動車部品で培ったモノづくりと電波技術を東海理化が提供する。
具体的には、デジタルキーを配信・管理する「FREEKEY Server(フリーキー サーバー)」と、複数のデジタルキー方式を統合する「FREEKEY Platform(フリーキー プラットフォーム)」で構成される。
両社で構築したFREEKEY Serverにより、スマートフォンを自動車や家などあらゆるものの鍵として利用できるようになる。必要な時にスマートフォンアプリを通じてデジタルキーを速やかにダウンロードする。同デジタルキーにより、物理的な鍵を所持・保管する煩わしさや紛失等のリスクから解放され、また、有効期限も設定できるため、シェアリングサービスの一時的な鍵としても利用可能だ。
さらに、ICカード等で培った高度なセキュリティ技術を採用したDNPのIoSTプラットフォームにより、日々進化しているサイバー攻撃に対して、スマートフォン内のデジタルキーのデータを安全に保護し、特にモビリティ分野における車両盗難やサービスの不正利用を防止するという。
また、東海理化の自動車部品で培った電波制御等のハードウェア技術とデジタルキー配信ロジック等のソフトウェア技術を活かし、同プラットフォームだけではなく、デジタルキーに対応した電子錠デバイスまで含めたトータルでの提供が可能だ。
FREEKEY Platformは、システムとサービス事業者のシステムを連結させることにより、サービス事業者のクラウドやスマートフォンアプリに対し、早く・安価で・簡単にデジタルキーを利用してもらうことができるという。デジタルキーは単なる鍵としてだけではなく、多様なサービスに対する認証・電子チケットの配信など、「スマートシティ」の実現に求められる幅広い用途に利用可能だ。
DNPと東海理化は、両社が強みとするデジタルキープラットフォームやスマートフォン・各種機器向けアプリケーションなどを最適に組み合わせ、さまざまな業界に向けてデジタルキー関連サービスを提供していく。2023年度には、業界横断の団体Car Connectivity Consortium (CCC)が策定する次世代のグローバル標準仕様に対応した「FREEKEY Server generation 2 (フリーキー サーバー ジェネレーション2)」の開発・提供も予定している。デジタルキー関連事業で、両社で2025年度に50億円、2028年度には100億円の売上を目指す。また、認証や決済、パーソナルデータの連動など、将来のスマートシティを支えるさまざまなサービスで共通に利用できる基本機能を揃えた総合的なプラットフォームの構築も推進していく。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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