2015年4月3日8:30米国4大カードブランド 2014年実績~US Cards 2014
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
米国4大ブランドの2014年決算が出そろった。
4大ブランドとはVisa、MasterCard、Amex、Discover。
各ブランドの米国市場での実績をみることにしよう。
米国経済は堅調に推移しているといわれるが、クレジットは伸びているのか。
手数料にキャップをかぶせられたデビットは、クレジットに追い抜かれたのだろうか。
カード1枚あたりの利用金額は、どのブランドが多いのか。
クレジットとデビットでは、1件あたりの単価がちがうのだろうか。
デビットやプリペイドをいち早く導入したブランドは、シェアをどんどん拡大している。
カード先進国である米国の動向は、日本のカードビジネスの下敷きになるはずだ。
米国の2014年カード総取扱高は、5兆1,384億ドル(617兆円)になった。日本の14倍強だ。やはりカード大国といわれるだけのことはある。カード総取扱高成長率は8.4%。2013年は前年比7.3%だったから、2014年はキャッシュレス化にはずみがついた。
このカード総取扱高は、Visa、MasterCard、Amex、Discoverの4大ブランドの取扱高合計。対象としたカードは消費者向けと法人向けのクレジットカードとデビットカード(プリペイドカード含む)。購買と現金取引の両方をあわせた取扱高である。ハウスクレジットカードやギフトカード、PINデビットは除外している。
総取扱高5兆1,384億ドルのうち、購買取扱高は4兆4,424億ドルで、現金取扱高は6,959億ドル。成長率はそれぞれ8.9%と5.3%だ。カードの86%が購買に使われ、現金取引は14%だった。個人消費支出に占める国際ブランドの購買取扱高比率は39%だ。
総取扱件数は807億件で、前年比7.5%増。1件あたりの利用単価は64ドルである。カード総発行枚数は12.3億枚で、前年より8.1%増えた。カード1枚あたりの年間取扱高は4,191ドルである。
4大ブランドの総取扱高シェアは、Visaが58%、MasterCardが26%、Amexが13%、Discoverが3%だった。デビットやプリペイドカードという商品を早くから品揃えしていたVisaが米国市場の過半を占めている。