2015年8月19日9:00
世界がキャッシュレスへ向かうなか、ギリシャではいまだ現金が幅をきかせている。経済の4分の1は不透明なトランザクションだ。2012年先進26カ国の国民1人あたりの年間非現金取扱件数でギリシャは25位である。
そのギリシャが今回の財政危機で思わぬ方向に向かっている。政府が3週間融資をストップ、ユーロ紙幣を管理下においてから、約100万枚のデビットカードが発行された。
アルファバンクは7月だけで22万枚を発行。2014年1年間の発行枚数を超えた。おもに年金受給者がデビットカードの利便性に気づいたようだ。スーパーやガソリンスタンドのデビットカード取扱高は2倍。田舎での利用は3倍になった。
財政危機がキャッシュレスを加速する、という意外な展開がギリシャで起きている。