2015年8月29日9:00
世界で非接触決済が最も進んだ国はオーストラリアだ。100豪ドル以下の支払いで非接触決済の割合は50%を超えている。NFC決済端末台数は2014年末で32万台。全端末の39%に相当する。
そのオーストラリアでApple Payが思わぬハードルに足止めを食らっている。コモンウェルス銀行をはじめとする大手銀行がApple Payの手数料を問題視しているのだ。
米国ではクレジットカードの場合、銀行はアップルに取扱高の0.15%を支払っている。これをオーストラリアの銀行が支払えば、利益が出ないというのがその理由。
オーストラリアではカード発行者手数料(IRF)が米国の約半分しかない。さらにオーストラリア中央銀行はIRFを0.3%に引下げようとしている。そうなると半分をApple Payに支払うことになってしまう。
Android PayやSamsung Payは銀行から手数料を取らないスキームを採用した。Visaが推進するVDEPやMasterCardのMDESだ。Apple Payのオーストラリア上陸には、もうしばらく時間がかかりそうだ。