2016年1月5日19:42
アイエスアイは、このほど同社が出願していた、モバイル決済・送金とマルチカレンシー決済の2つの特許を取得したと発表した。
モバイル決済・送金に関する特許は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器間で、現金やプラスチックカードより簡単に安全に、決済や送金ができるシステムを提供することを目的としている。
クラウド上の電子マネー管理サーバにモバイル機器と連動する口座を設け、決済や送金時に管理サーバでモバイル機器を電子証明書で認証することによって、口座間で電子マネーを移動する。そのため、電子マネーのやり取りはリアルタイムで、確実に相手口座に送金されるという。
モバイル機器のOSに依存せず、NFCなどの非接触機能がなくても、アプリケーションをダウンロードすれば使えるため、幅広いモバイル機器保有者にサービスを提供できることも特徴であるそうだ。すべてのモノがインターネットでつながるIoTでは、コネクティッドカーやコネクティッド家電との決済・送金も可能となる。
セキュリティ面では、モバイル機器に金融情報を保存せず、サーバで暗号化して管理。万一モバイル機器が盗難・紛失にあった場合でも、ロック機能で利用制限をかけられる。本人認証済みのモバイル間トランザクションなので、不正利用や不正送金を防げるという。
同特許は国際特許出願で、米国とインドでも申請中だ。
マルチカレンシー決済に関する特許は、両替した複数の外貨を電子マネー管理サーバに保有し、その通貨が流通する国やオンラインショップでこの決済を使うと、現地通貨でショッピングやATM現金引出しができるようにしたもの。
事前に有利な価格で外貨を両替し、電子マネー口座に保管。利用のたびに即時電子マネー口座から現地通貨が引き落とされるため、為替変動による使いすぎの心配がないという。
海外旅行での決済手段の1つであった旅行小切手が廃止されたいま、現金に代わる決済手段が求められている。現金旅行の煩わしさは、現地での両替の手間や小銭がたまること。この特許を利用すれば、当日の為替レートを気にせずキャッシュレスでスピーディに決済することができるそうだ。
アイエスアイでは、モバイル決済・送金特許とマルチカレンシー特許を連携すれば、クロスボーダー決済・送金の利便性が高まるとしている。