2016年12月16日9:00
中国のFeitian Technologiesは、PKIソリューション、mPOS(モバイルPOS)、ICカードなど、セキュリティに関わるサービスを多岐にわたり提供しており、日本でもビジネスを展開している。同社では、カード型のワンタイムパスワードカードの発行を強化しており、Bluetooth機能搭載カードを発表するなど、技術開発にも力を入れている。
低コスト、短期間でカードの提供が可能
中国や欧州で導入される
現在、世界では複数の企業がワンタイムパスワードカードを提供しているが、Feitian Technologiesでは、過去の経験と実績をベースに、自社開発・製造できる点が強みとなっている。また、タイムベース式、イベントベース式、チャレンジ&レスポンス式といった各種認証方式に対応している。
中国・上海だけをみても、多数の開発拠点があり、多くのエンジニアを有しているという。Feitian Technologies Vice President YanYan氏は、「ワンタイムパスワードカードを自社で開発・生産しているため、販売まで短期間で提供でき、コストも低く抑えることが可能です。他社は16~20週間必要ですが、弊社は8週間でお客様にお届け可能です」と説明する。
また、世界中で1,000以上の特許を取得しているが、ワンタイムパスワードカードのテクノロジーについてもすでに約60の特許を取得しているという。さらに、カードについては、中国銀聯の認定に準拠しており、VisaとMastercardは申請中となっている。
ディスプレイカードに関しては、約2年前から本格的に提供を開始したが、中国、ドイツ、イタリアの金融機関、欧州のロイヤリティカードなどで採用された実績がある。また、シークレットキーとなる「Seed」や認証時間については、採用される地域や顧客の要望に応じて、変更して提供可能だ。
FIDO U2F対応のワンタイムパスワードカードを開発
日本は重要なマーケットと位置付ける
現在は、トークンシステムのソフトウェアの開発に注力。また、ワンタイムパスワードカードにBluetoothなどの機能を搭載することにより、カードそのもののプラットフォームとしての幅が広がると期待している。これにより、支払いやインターネットバンキングの認証のみならず、他のトランザクション情報などと連携することが可能となる。
フランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)2016」のSESAMES AWARDSの最終候補となった「Fido BLE Card」は、FIDOのパスワード補完型認証の「U2F Standard(Universal Second Factor)」のプロトコルに準拠しており、Bluetoothによりモバイルプラットフォームとの互換性を確保している。
なお、日本では飛天ジャパンを通してFeitian Technologiesの製品が提供されており、重要なマーケットと位置付けている。現状、ワンタイムパスワードカードの出荷は中国と欧州が中心だが、将来的には日本での採用も加速するとみている。
※取材は2016年11月29日~12月1日まで、フランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)」にて