2017年5月31日8:40
■キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンは過去よりEMV L1/L2準拠 & PCI-PTS準拠を継続
モバイル決済端末「AT-3300」は東武百貨店で採用
次に対面取引を行う加盟店における不正使用対策については、実行計画に「決済端末の100%IC化を2020年3月までに」とありますが、実はICクレジット決済対応端末については、キヤノンの得意分野です。その自信の根拠として、決済端末のIC化にまつわる国際規格には、EMV準拠、およびPCI PTS準拠がありますが、これらに関して、キヤノンには一日の長があります。特にIC決済の先進地域であるヨーロッパの航空会社で数多く採用されていることが大きな理由です。航空機内という特殊な環境下では、非常に強固なセキュリティが端末ハードウェアに求められました。それがEMVであり、あるいはPCI PTSの前身規格である「PCI PED」であったため、以降、弊社モバイル端末で規格準拠を続けてきています。
キヤノンでは、ICクレジット決済用のPINPADがハンディターミナルと一体となったモバイル決済端末「AT-3300」を提供しています。経済産業省様の『METIジャーナル』(2016年4・5月号)で記事にしていただいている通り、東武百貨店様で現在も稼働しています。実は、この端末には東武百貨店様にいただいたデザインや機能のアイデアを採用させていただきました。販売員の方が操作するインターフェイス上のPINパットの部分でお客様が暗証番号を入力されますが、それぞれが向き合って使用できるのが特徴です。販売員から見ますとPINパットが逆さまに見えますが、向かい合って処理するにはこれが所作として非常に美しくできるということで、このようなデザインを採用させていただきました。また対面のお客様が暗証番号入力・PIN入力を安心してできるよう蓋がついており、販売員の目隠しになるデザインになっています。
一体型端末として、「AT-3300」が真の効果を発揮するのは、通常時というよりもむしろ混雑時や繁忙期です。お店の混雑時や繁忙期において、安全性を確保しながら、「いかにスピーディーに効率よく取引を行うか」がポイントとなってきます。「AT-3300」では、セキュリティへの配慮だけではなく、スキャナや決済機構(PINPAD等)を端末本体に一体化することによって、取り回しの良さを実現しています。結果、効率的にお客様を捌くことができ、それによって時間あたりの取引数量が増えて、売上UPにつなげることが狙えます。弊社のお客様のイベント会社では、販売スピードが非常に速くなった結果、想定以上に早く売り切れてしまった、つまり「もっと仕入れておけばもっと売れた」といった声もいただきました。商品登録をスキャナで行い、カード決済をPINPADで実施し、最後にPOSと連携してデータを送信することができるので、販売業務に必要な機能が1つの端末に集約されていますので、効率的に販売活動を行うことができます。
また、最近ではスマートフォンとPINPAD端末を2台持ちで運用するケースや、あるいはケース等でドッキングさせて使うソリューションが出てきています。その場合、1つ目は処理スピード、充電・蓄電環境あるいはバッテリ交換・充電などの運用考慮が必要になる課題があります。もう1つは、お客様と向き合って机のない状態で対面決済を行う場合は、端末をひっくり返したり、という使い方では少しやりづらいのではないかということがあります。その点一体型であれば、置き場所を選ばずにスムーズに面前決済が可能です。
「PCI PTS4.1」準拠の端末を国内で製造
2020年に向けて安心・安全・便利な決済ソリューションを提供
まとめとして、カード情報の非保持化で紹介した外回り決済ソリューション「CA-P1」はタブレットやスマートフォンを介して通信するモデルです。店舗内のタブレットPOSとの連携や、あるいは営業の方が外訪先で着席してカウンセリングをするような業務での利用を想定しています。また、一体型端末については、現行機種「AT-3300」の後継機種を現在検討しています。いずれにしても、最近のクレジット情勢に対応する国際セキュリティ規格を取得していますし、また外回り・内回りのどちらの運用にも提案可能な端末となっています。昨今、決済端末、特にモバイル型については海外製のものが増えつつありますが、安心の「MADE IN JAPAN」として、保守も製造も国内で行っておりますので、導入後も安心して使っていただけるのではないかと考えています。
2020年に向けてですが、弊社は、今後の決済環境の国内動向について引き続き注目していきながら、加盟店・お客様の業務課題をよりよく理解し、これからもより良い製品づくりに取り組んでいきたいと考えています。また、クレジット決済の処理スキームを提供する各種ソリューション・プロバイダーや決済センター、またクレジットカード会社からのお知恵やご協力もいただきながら、安全・安心かつ、便利な決済ソリューションを、皆様と一緒に作り上げていきたいと考えております。
※本記事は2017年3月22日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2017」のキヤノンマーケティングジャパン株式会社 モバイルソリューション企画部 今村雄平氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。
※CAFIS Arch®は国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
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